アオハダの亜高木から高木が多いのも特徴でしょうか。高木といっても10m前後で尾根筋ですから成長は抑えられていて亜高木といった方が正確かもしれません。鈴なりに実を付けた個体が各所に自生しています。赤い実を付けた雌株が目に付きますが雄株も多数あるはずで密度の高さに驚きです。枝越しに見る山並みがなかなか素敵な場所でした。柏崎方面の街並みも望める気持ちの良い尾根道です。
モチノキの仲間ですから実が枝に密着して鈴なりに付きます。色は赤いのですが多く付く割には派手さはなく目に留まらない実です。時には見過ごしてしまうほどです。以前関西を旅した時に見たクロガネモチの圧倒的な赤い実の塊りには遠く及びません。
赤い実といってもミヤマガマズミの輝くような色彩ではなく、幾分くすんでいてます。これでも鳥などには十分アピールしているのでしょうが、小鳥がこの実をついばんでいる姿を未だ見たことががありません。
赤い実といってもミヤマガマズミの輝くような色彩ではなく、幾分くすんでいてます。これでも鳥などには十分アピールしているのでしょうが、小鳥がこの実をついばんでいる姿を未だ見たことががありません。
これからしばらくは柏崎の八石山(はちこくさん 518m)の植物を取り上げます。10月の半ばの山歩きでした。
八石山は丘陵公園に繋がる山域でもありそれほど離れている場所でもないので、今までほとんど気にも留めずにいました。機会があってこの山で自然観察をすることになりガイドを依頼されたのです。登って驚きでまさに「燈台下暗し」。素晴らしいの一言でした。すぐ南には黒姫山という少し高い山があり、ここには観察に出かけた経験があります。カエデ類の多い山という印象を持っていましたから、八石山もそれに準じた植相だろうと勝手に判断していて特段興味深いものはないのではないかと考えていました。
今回は柏崎の不動滝があるところからの入山で、縦走し小國側のステーキハウスに出るルートを歩きました。不動滝は小さいながらも滝が持つ独特の魅力に満ちた存在で先を急がないのであればもう少しゆっくりと鑑賞していたい滝でしたね。
八石山は丘陵公園に繋がる山域でもありそれほど離れている場所でもないので、今までほとんど気にも留めずにいました。機会があってこの山で自然観察をすることになりガイドを依頼されたのです。登って驚きでまさに「燈台下暗し」。素晴らしいの一言でした。すぐ南には黒姫山という少し高い山があり、ここには観察に出かけた経験があります。カエデ類の多い山という印象を持っていましたから、八石山もそれに準じた植相だろうと勝手に判断していて特段興味深いものはないのではないかと考えていました。
今回は柏崎の不動滝があるところからの入山で、縦走し小國側のステーキハウスに出るルートを歩きました。不動滝は小さいながらも滝が持つ独特の魅力に満ちた存在で先を急がないのであればもう少しゆっくりと鑑賞していたい滝でしたね。
標高はそれほどないのですが稜線に出るまではなかなかの急登です。尾根筋は同じようなピークがいくつもあって登ったり降りたり山頂までが結構長い感じです。もっとも、植物の観察をしながらの歩きで、それほど距離がないのに時間ばかりが過ぎて結局山頂には行けずじまい。手前のピークで断念。昼食後、小国側のステーキハウスに降りるコースを進ましたが、このコース転げ落ちそうな急傾斜でルートの半分くらいに設置されている命綱にしがみついての下山でした。
それはそうと尾根筋にはブナの樹が沢山あって気持ちの良い散策です。大木あり株立ちありでまたそれらと共存する様々な種で解説する材料に事欠きませんでした。
それはそうと尾根筋にはブナの樹が沢山あって気持ちの良い散策です。大木あり株立ちありでまたそれらと共存する様々な種で解説する材料に事欠きませんでした。
このブナの樹は根元から何本も幹が出ていて明らかに伐採され萌芽して生じた株です。秋田で見た「あがりこ」です。人の手が加わっている証拠です。この山域の全てがいわゆる二次林で自然林はまずないと考えていいでしょう。二次林でもそう頻繁に人手が関わっている場所でなく、それなりの海抜もありますから自然の作用などで独特な植生が成立していると感じました。
キハダの実は晩秋まで残っている木の実の一つです。比較的高木になりますから葉が落ちてしまっても実の存在に気づかない人が多いのです。色彩も災いしてか枝ごと落ちた実も地面では目立たずその存在に気づかないこともしばしばあります。この絵は地面に落ちていた実を写したものですが黒い色をしています。もっとも最初から黒いわけではなく緑色から次第に変化してきます。葉があるころは緑色で、葉がなくなるころには黒くなり、それがまとまって落ちてくるという感じでしょうか。
この実、潰してみると独特の香りがします。柑橘の香りです。このことからキハダがミカンの仲間だとわかります。なんとなく意外な気がしますね。私もこのことを知った時はちょっとした驚きでした。昔の話ですが・・。したがって、カラスアゲハなどアゲハの仲間の食草にもなっているそうです。アゲハ蝶の仲間にはミカン科の植物を食草にする種が多いのです。
この実、潰してみると独特の香りがします。柑橘の香りです。このことからキハダがミカンの仲間だとわかります。なんとなく意外な気がしますね。私もこのことを知った時はちょっとした驚きでした。昔の話ですが・・。したがって、カラスアゲハなどアゲハの仲間の食草にもなっているそうです。アゲハ蝶の仲間にはミカン科の植物を食草にする種が多いのです。
高木は葉や花・実などを間近に見ることができない場合が多いので、樹肌を見て判断することがあります。樹の樹肌を見極められると大変便利ですが、そうなるには少々訓練を必要としますね。それでも時間をかければかなりのものが見えてきます。
キハダの樹肌は幾分灰色がかっています。コルク層が発達し、縦に浅く広く裂けた状態になります。しかし、これは老木で若木はぬめっとしていますから雰囲気はまるで異なります。皮を剥いでみると内皮は鮮やかな黄色で、この部分はとても苦く漢方の胃の薬に利用したり、染料に利用しています。
キハダの樹肌は幾分灰色がかっています。コルク層が発達し、縦に浅く広く裂けた状態になります。しかし、これは老木で若木はぬめっとしていますから雰囲気はまるで異なります。皮を剥いでみると内皮は鮮やかな黄色で、この部分はとても苦く漢方の胃の薬に利用したり、染料に利用しています。
地元の人は「床わらび」といって鉢植えで楽しまれる方がおおい種です。お正月の飾り物に良いのかなかなかの人気です。小さなシダ植物で湿り気の多い林下に生育しています。一株見つかるとだいたい近辺には多数自生しています。経験的に旧棚田跡に植栽された杉の林と雑木林や農道など環境が変わるエリアで出会うことが多い気がします。
丸いつぶつぶは胞子を入れる袋、胞子のうです。このつぶつぶの配置も一つの美的意識をくすぐるのか鉢物にすると「形」になるとのこと。日本人が好む美意識の対象です。シダ植物には花はありませんからこの袋の中で無性的に胞子を量産し同じ遺伝子型の子孫を作ります。しかし、卵細胞を作る時期もあって有性的に子孫を作る行為もあります。それは、この胞子が発芽した個体(有性世代)の中で起こります。もちろん雄の生殖細胞(精子)も出来受精して新個体を形成します。とはいってもこの胞子が発芽して生じる個体(配偶体)は小さく、他のシダ植物では観察したことはありますが、フユノハナワラビの配偶体は見たことがないですね。シダ植物の世界も奥が深く私はほとんど知らない世界なのです。
かつては水田周りには普通にあった種で貴重種扱いされているひとつです。もう花の季節は過ぎていますが、冷たくなった水の中でゆっくりと朽ちていく季節です。ヒルムシロなどがなくなってミズオオバコがまだその姿をとどめています。長い柄に実が付いているのがわかります。この実もやがて朽ちて中の細かな種子が水中に散布されることになるのでしょう。その実に付いているらせん状になっている柄が興味深いですね。この「らせん」は「あそび」だと考えるとこの種の適応の巧みが見えてきます。水面の高さが変動してもこの「あそび」を使えば花をいつも水面で咲かせることができますね。花のない季節でも、こういう造形を探していくと自然は絶えず興味深いものを提供してくれます。
フィールドミュージアムにあるカキの木です。この当たりには昔お寺があったとされその当時に植栽されたものがたくさん残っています。そのなかにある一本、カキの木の途中が幹どうしが繋がっているのです。根元から二股にw枯れて再び高い位置で癒着した格好です。それも「橋をかけた」ような格好ですから不思議な造形なのです。大きな幹が直接接触して癒着するのはなんとなく理解できますが、「枝渡し」状態の構造・・・。かなりの偶然が重ならないと生じにないような造形には違いがありません。里山フィールドミュージアムの私の中での「七不思議」の一つにしてもいいと思っています。もっとも2つほど候補はあるのですが、これからです。
面白いキノコに出会いました。形が面白く出会ったのは初めてですから珍しいキノコとしてもいいかな?図鑑には普通に出ていますから、特別珍しいものでもないのかもしれませんが・・。サンコタケといいます。「サンコ」は「三鈷」と書き密教でつかう道具なのだそうです。3本に分かれた形状がそれに似ているのでしょう。出会ったのが少々遅く、倒れてしまっていますが出始めはもっと赤みを帯びたもののようです。菌糸はまだ残っていると考えますから来年はもっと状態の良いキノコにであることと思います。
サンコタケと似た仲間ですがキツネノエフデというキノコです。先月、キノコ観察会で採集されたものです。フィールドミュージアム内には数年前から点々と発生が確認されているものです。昨年発生した場所では今年見ないのでシロは消滅してしまったのでしょうか。サンコタケと同じ「腹菌類」に便宜的に分類されるもので、赤く色づいているあたりに胞子をつくりまたハエが好きそうな悪臭を発するキノコとされています。シイタケなど見慣れたキノコとはかなり趣が違います。
おいしそうなキノコはハイイロシメジの幼菌です。遅いキノコで過去に一度12月初旬に地面いっぱいに広がったキノコの群れに出会ったことがありました。小沢沿いの石が混ざる空間に落ち葉の下に隠れていたのです。その年は比較的あたたかな晩秋であったようですね。しかし、多くは11月に見かけるキノコで大量に発生します。傘が開くと大きいものでは15cmにもなり、一応食べることができる種ですが大量に食べることは控えたほうがいいでしょう。味は「美味しい」という人もいれば「それほどでもない」という人も。意見は分かれます。
可愛そうな名前を付けられたものです。たしかにそういう感じの生態をしているものですから、名づけた人のセンスに感心させられます。最近身近な湿り気のありそうな場所に普通にみられるようになっています。フィールドミュージアムでこのハキダメギクに気づいたのは最近ですから、この種も工事によって入ってきたものと思っています。こちらの暴れ方はキツネノマゴに比べると格段に勝っていますから管理上手ごわい相手になるのかもしれません。