森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

センダイトウヒレン

2017年12月31日 | 自然観察日記
山形市野草園には新しく出会う種がいくつもありました。そのうちの一つがセンダイトウヒレンです。トウヒレンという名前がつく仲間は私の経験ではすべて亜高山や高山の植物です。脇に種名板があってセンダイトウヒレンという名前を知りました。今まで出会ったトウヒレンに比べ草丈が高く花数が少ないので少し違和感を持ってしまいました。

センダイトウヒレンの頭花

2017年12月31日 | 自然観察日記
一見してアザミに似ています。しかし、棘はなく触ってもいたくはありません。派手な花ではありませんがどことなく惹かれるものがあります。日本の野生植物(平凡社)によれば東北の太平洋側に生育する種となっていました。他の文献には比較的低山帯に見られるようで蔵王に近い山形市野草園では自生はなかったのではないでしょうか。

センダイトウヒレンの葉

2017年12月31日 | 自然観察日記
以前弥彦山塊で見たシラネアザミもトウヒレンの仲間でした。シラネアザミの葉は根生葉やそれに近い葉はかなり広い葉でセンダイトウヒレンの小さく細長い葉とは対照的です。高山で見るクロトウヒレンも広い葉です。センダイトウヒレンの根生葉は確認できませんでしたがそれ以外はいずれも小さい葉です。

ミツバウツギの果実

2017年12月30日 | 自然観察日記
今年もまた出会えたミツバウツギ。新潟県内ではほとんど見ることができない種ですから見つけるとついカメラを向けてしまいます。何度か載せて来たと思いますが、不思議な形態をした果実ですからつい見入ってしまいます。

ハイイヌガヤの実

2017年12月30日 | 自然観察日記
日本海側の多雪地に多いとされるイヌガヤの変種。東北の中部山地にも自生していました。山形市野草園の地域も他雪地域ですからハイイヌガヤが適応生育していても不思議はありません。匍匐性が強く大木にはなりません。この種は雌雄異株で、果実は食べられるとのこと。

ウンゼントリカブト

2017年12月29日 | 自然観察日記
植物は値域地位でしばしば変異を起こしますから、一見同じような種でも細かく名前が付けられてしまうことが多くあります。これは、さまざまなトリカブトが分類されていますが、ウンゼントリカブトという名前で紹介されていたものです。個人的にはトリカブトは苦手でうまく識別ができないことが多いのですが、オクトリカブトという種ととの区別がつきません。

ウンゼントリカブトの花

2017年12月29日 | 自然観察日記
東北のトリカブトはオクトリカブトという漠然とした捉え方はよくないようです。東北地方の中央部の山塊に中心に分布しているのがウンゼントリカブト。日本海側に偏る形でオクトリカブトという地域的な分布を考えています。形質的には葉柄に腺毛があるかどうかで区別するのだそうです。有ればウンゼントリカブトになります。

アケボノソウ

2017年12月28日 | 自然観察日記
今年もアケボノソウに出会えました。湿った草むらにひときわ大きく成長した株が1株あえいました。園路から少し入ったところで踏み込むわけにもいかず少し遠めからカメラを望遠にして記録しました。

アケボノソウの花

2017年12月28日 | 自然観察日記
花弁の斑点が夜明けの星に見えるのだそうです。それでアケボノソウとか。考えた人の想像力に感心します。5人の小人(妖精)が手を結んで輪になっているような姿にも見えますからもう少し違った発想で名づけをしてもいい花だなぁと個人的に思っています。それはそうと、妖精の目に見えてしまう黄色い物体は腺体といわれるもので蜜などが分泌されるのでしょうか?蜜を分泌するという話を聞いたことがありませんから、真偽のほどはわかりません。ただ、「腺」ですから何かしら分泌しているのでしょう。センブリと同属なのだそうで少し意外です。

秋のチョウジソウの姿

2017年12月27日 | 自然観察日記
幾分湿り気のある場所にやや葉が黄色く色づいている群落がありました。チョウジソウです。春に青い花が見事に咲いたであろう群落ですが、そろそろ店じまいの準備をしているようで葉には元気がありません。いわゆる草紅葉の状態に入ってきたようでした。

チョウジソウの果実

2017年12月27日 | 自然観察日記
うっかりすると見逃しそうな色と形の果実。しかし、チョウジソウと理解する重要な形質です。キョウチクトウ科の多年草で日本にも自生するとなっていますが、少なくとも新潟県内では確認したものはありません。絶滅危惧種として言われている割に見かけることが多いのですが、話によるとほとんどが外国産のものが流通し植栽されているのだそうです。山形市野草園の群落は地元のものと思っていますが、春の美しい花景色を見てみたいものと思いました。