薬師堂尾根というのだそうですがこの根を下っていると見事に先揃っているミツバツツジの群落に出会いました。丘陵公園の里山にもわずかに自生していますが大木はなくほぞ細と生きている感じで花数も少なくほとんど存在感はありません。しかし、この根筋は見事な花修景でした。足元の林床にはトクワカソウ(イワウチワ)が咲きその上部にはミツバツツジが咲くという何とも贅沢な空間です。
尾根筋に沿って生育していたミツバツツジです。なかなか圧巻なのですが、かつて木曾谷で見たミツバツツジ(正確な種名は不明)の大群落には度肝を抜かされたことがあります。それに比べるとユキグニミツバツツジはまとまって生育しているというところをあまり見ません。樹も小さめで点在してして生育するイメージがあります。坂戸山はやや例外の範囲に入ります。
山頂の周辺にもユキグニミツバツツジがあります。しかし、まだここは積算気温が低いためか咲く一歩手前の状態です。咲くとピンク色の花弁も咲く前は暗赤色。同じ花とも思えません。
ミツバツツジの分類はかなり手ごわくよほどの専門家でないと難しいのではないでしょうか。図鑑を見ながらの同定なら何とかなりますが、現物を直接差し出されても戸惑います。わずかに言えることはユキグニミツバツツジはトウゴクミツバツツジに比べ開花のタイミングは1週間は遅れるということ。両種を栽培して分かった事実です。
ミツバツツジの分類はかなり手ごわくよほどの専門家でないと難しいのではないでしょうか。図鑑を見ながらの同定なら何とかなりますが、現物を直接差し出されても戸惑います。わずかに言えることはユキグニミツバツツジはトウゴクミツバツツジに比べ開花のタイミングは1週間は遅れるということ。両種を栽培して分かった事実です。
坂戸山の尾根はネジキが多いのに驚かされました。まだ芽吹いてもいないのですが、赤い昨年枝がとても綺麗です。雪の重みでどの樹も曲がっていて樹形は決して良くありませんが径10cmくらいの大木もあって壮観です。
尾根筋に出るとところどころに素晴らしい群落があって春の日差しを浴び美しいの一言。名花です。これを見に来る人もとても多い山なのだそうです。ところで、このイワウチワは厳密にいうと葉の形状が異なりますから、トクワカソウという種になります。同行していただいた魚沼の観光協会の人の立場からするとネームバリュウがないのでイワウチワの方がいいとのこと。確かに多くの人はイワウチワで馴染んでいます。トクワカソウなどと言ったら全くイメージができないことになってしまいます。関東にあるイワウチワは残念ながら新潟には無いようなのです。すべてトクワカソウ。
イワウチワは葉の基部が丸くへこんでいますが、トクワカソウはほぼ平らについています。確かに種としては個別できるもののようですが、それほど大きな差異でもありません。知名度という点でトクワカソウは敬遠したい様子です。
日当たりのよい場所に生育している個体の葉は赤くなっていていわゆる銅葉です。紫外線対策と考えるのがもっとも説得力があるようです。同じ反応する春植物は多くオオイワカガミやトキワイカリソウ・ショウジョウバカマなどでも見られます。
8合目以上は一部を除いて尾根になっていて、それまでの植生とはかなり異なります。タムシバが目立つようになって来ます。まだ開花しない個体も多く賑わいも控えめなのですが、青空に映えて白い花がとても美しいものでした。魚沼の山に登ると特別タムシバが多いような印象を持っています。コブシは稜線上には出てきません山麓の沢筋にわずかに見られる程度だと思います。これが丘陵公園だと逆でコブシが幼木を含めてとても多く、タムシバはわずかに自生しているだけです。
苞が裂け白い花弁が顔を出したところです。ところでタムシバはどれほどの大木になるのでしょうか。径10cmくらいで5m程度の樹は何度も見ていますがそれ以上のものは出会った記憶がありません。尾根筋の生育環境の悪い場所にいるためか大きく育たないのは分かるのですが、それほど生育条件が悪そうでない場所のタムシバであっても大木まで育たない。不思議ですね。コブシは巨樹に成長するのですが・・。
坂戸山のカタクリには面白い奇形花があるといいます。そこで、注意しながら歩いていくと出てきた一つが7弁の花のカタクリ。色彩の濃淡はよくあるのですが花弁の多少は今まで確認したことがなかったのでちょっと感激です。あまりバランスがいい花ではないので観賞価値は少ないかもしれませんね。