森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ナニワズの実 2

2007年06月30日 | 自然観察日記
 ジンチョウゲの仲間で液果を付けます。鳥はついばむようですが、人には有毒とされますから食べないようにしましょう。
 この種の変わったところはなんと言っても「夏季の落葉」です。落葉の原因は一般的には水分と温度です。そのいずれも該当しないのに落葉するもう一つの理由は、林床に生育するための光不足でしょう。カタクリなど草本は地中でもう休んでいます。これに倣ってナニワズも休眠しているのでしょう。しかし、れっきとした木本植物です。大きく成長して光を求める方向に進化しなかったということでしょうか。

ナニワズの実

2007年06月30日 | 自然観察日記
 こんもりと茂った陰にナニワズが赤い実を付けています。ナツボウズという異名を持つことからも判るように、この時期のナニワズには葉があまりありません。まだ実が残っていますが、順次一つ二つと鳥に食べられ減っていき「ボウズ」になるのでしょう。

ヘイケボタルの光

2007年06月29日 | 自然観察日記
 最近至る所に「ホタルの里」が作られて関心が高まってはいますが、今までは普通に身近にホタルがいたものです。我が家もその一例で、気にもしていない状態ではあったものの気が付けば「川」には水が流れていなくて餌になるはずのタニシ・カワニナが消えています。何を餌にどこに住んでいたのか、このホタルの光を見ながら首をかしげてしまいました。
 ホタルの明滅する光を見ていると不思議な気持ちになります。ヘイケホタルは結構環境汚染に強いとか、そうであればなおのこと、どうかこのまま逞しく生き続けて欲しいと思います。

ヘイケボタル 

2007年06月29日 | 自然観察日記
 我が家に隣接して農道があります。それに沿って小川があります。最近は水が流れない時期があってもうすでに「川」ではないのですが、この時期だけ田に水を張るためにかろうじて「川」になっています。その土手に広がる草むらが除草剤の難を免れて青々と茂っています。その草むらにヘイケボタルの光を見つけました。
 1匹捕まえて「まだ、我が家にホタルがいるのだ」という証拠として写真を撮りました。

ミズタビラコ 1

2007年06月28日 | 自然観察日記
 山間の沢沿いなどでよく見かけるムラサキ科のミズタビラコ。タビラコは「田平子」でキク科の野草を思い出します。どういう共通項があるのかなぁ・・。
 実はもう一種、ムラサキ科のキュウリグサの別名に「タビラコ」というのがあるのです。この種に比べ水辺に生育することからミズタビラコなんですね。

キオン(キク科) 3

2007年06月27日 | 自然観察日記
 キク科の「黄色の花」は道路沿いにうんざりするくらいよく見かけます。私の行動する範囲での話ですが、意図的に植えられている法面にはアラゲハンゴンソウ、花姿は少し違うにせよセイタカアワダチソウなどにはもう辟易しています。
 そういう存在があるせいかキオンは正当な評価を得ていない気がします。それに対して「シオン(紫苑)」は歌にも歌われています。

キオン(キク科) 1

2007年06月27日 | 自然観察日記
「黄苑」という文字を当てます。高原に群生する植物というイメージになります。似たようなものにハンゴウソウがありますが、こちらの方が小型です。場所によって大群落も存在するようですが、私はまだ見ていません。

ヒペリカム

2007年06月26日 | 自然観察日記
花火が開いたような葯はオトギリソウ科のヒペリカムの花。雌しべは5つに分かれているのが判ります。雄しべは多数ありますがこれも5数性の花です。

アジサイの両性花

2007年06月26日 | 自然観察日記
 今が盛りと咲くアジサイ。装飾花ばかりの品種も多いのですが、ヤマアジサイ系のものは両性花も見られます。花弁が5枚(落ちやすい)、雄しべは10本で5数性の花と判りますが、雌しべは3(~4本)というのが不思議ですね。

ムサシアブミ 2

2007年06月25日 | 自然観察日記
 一度見たら忘れない植物です。独特の風貌を持つ花(苞)が面白いですね。調べてみると海岸近くによく生育しているそうで、葉に光沢があることからもうなずけます。

ムサシアブミ 1

2007年06月25日 | 自然観察日記
 テンナンショウの仲間ですが、この実物を見たのがこれが初めて。ちょっと感激するとともに大きな驚きをもちました。ここはアルプの里、標高1000m以上の高地です。高山植物なら今までどこかで出会ったはずですし、越後の植物ならそれなりに情報が集まってきたと思うのですが・・。一般的には暖地の植物。そう思っていたのにこの出会いです。青々と機嫌よさそうに生育しています。植物の世界は不思議ですね。自らの不勉強を思い知られました。