森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

キヌタソウ ①

2016年06月30日 | 自然観察日記
花が無し種が続きますが、こんどはキヌタソウ。見た瞬間はツクバネソウかと思ったのですが違いました。数年前にどこかで見ていますが、キヌタソウの思い出はなんといっても未状が岳(1553m)の話になります。若いころ群馬県境にそびえる未状が岳の植生調査をしていた時。7月の後半暑い日で山頂に行けば雪渓があるだろうと高をくくって水の準備を十分にしないで登りました。ところが、当時の未状が岳は道があまり整備されていなくヤブこぎなどかなり苦労をして山頂までたどり着いたのでした。かなり水を消費して少し不安を抱いて山頂に立ったものでした。未状が岳の山頂直下群馬県側に遅くまで雪が残り夏場は気持ちの良い草原になるところがあります。山頂からこの草原を見ると大きな白い塊が見えますから、残雪があったと安堵してそこまで降りていきます。ところが、その白い塊は雪ではなく大岩。この時の落胆は今でも忘れませんね。チシマザサが繁る草原の縁に腰を下ろして不運を嘆いたその脇にこのキヌタソウが花を咲かせていたのでした。

タニタデ

2016年06月30日 | 自然観察日記
夏から秋の花がもう一種ありました。タニタデという小さな種です。したがってこの種もこの季節は花がありません。葉の脈が赤くタニタデの特徴を示しています。

カシワバハグマ ①

2016年06月29日 | 自然観察日記
林道からそれて急な登りになった植林帯にカシワバハグマが点在していました。この種も新潟では見られない種で次から次へともの目面しい種が出現するためなかなか先に進めません。おかげで急傾斜地でもあまり疲れません。少し行っては止まりまた少し行っては止まりの繰り返しです。他に登山者がいないのでそういう歩きでも迷惑をかけませんでした。



カシワバハグマ ②

2016年06月29日 | 自然観察日記
関東から西日本の山地林内に生育するとあります。日本海側の記載が見つかりませんが少なくとも新潟にはありません。クルマバハグマやオヤリハグマなど同属の種はいくつかあります。

オオバショウマ

2016年06月29日 | 自然観察日記
同じ場所にオオバショウマがありました。花がつかない若い個体の様で葉だけの紹介です。葉に特徴があって小さい個体でもすぐそれと分かります。箱根に行ったときに認識した種で、この種も日本海側にはないと思われます。太平洋側のブナ帯などで見られる種だそうです。

ケマルバスミレ

2016年06月28日 | 自然観察日記
植生の貧弱な急傾斜地に白いスミレがありました。ケマルバスミレと特定。新潟では見ていないスミレでなお物語山の山頂付近の急傾斜地に生育しているようですからあまり一般的な種ではないと考えましたが、意外や太平洋側では比較的普通種なのだそうです。毛が多くふわふわした感じの白く清楚なスミレです。しかし、最近雨があったのか泥だらけ個体が多く生育している場所がほぼ裸地状態でがれきの隙間に砂ぼこりが舞い上がるような環境。一雨あると飛び跳ねた泥が付着するようです。なんとか、綺麗なものを探して撮ったものがこれです。

炭焼きの跡?

2016年06月27日 | 自然観察日記
林道の最奥から急な植林帯があってその中をしばらく登るとこんどは従来の雑木林が広がっています。しかし、傾斜はかなり急で一気に高度を上げていきます。そういう一角に炭焼きをしたと思われる遺構がありました。解説版でもあればいいのになぁと思いましたが、しっかりとした岩積み構造。小さな穴から中を除きましたが暗くてよくわかりませんが、炭焼きをしたものではないかと推測しました。

急斜面に広がる広葉樹林

2016年06月27日 | 自然観察日記
炭焼きの跡は山頂からそれほど離れていない位置と思います。この遺構の周辺の植生です。とても貧弱な林です。かなり急な斜面に岩山が崩れた後のがれきが剥き出しになっていて、広葉樹はその中に点々と生育しています。この様子だと、かなりの雑木が伐採され消失し、伐採した後の若木が生育していないように思いました。傾斜が急な斜面でありがれきが多い場所。安定しない土壌条件では例えばナラ類などはなかなか生育できないのではないかと類推しています。伐採を免れたものがそのまま成長を続けこの景観が維持できているようです。

落ち葉で埋め尽くされた沢

2016年06月27日 | 自然観察日記
この景観はかなり下の方にあったもので小さな沢に落ち葉の川ができていたものです。推測するに、この沢の両岸に生育する広葉樹が秋に落とした葉がみんなこの沢に集まってくるのでしょう。急峻な地形の場所でしたから水は流れてくるにしても留まることがなく腐敗を助長させません。この付近は開発されずに昔からの広葉樹林があり昔からの生活を続けている証でしょうか。

ヒゲネワチガイソウ

2016年06月26日 | 自然観察日記
登山道の脇に点々とナデシコ科と思われる小さな草が生育していました。ヒゲネワチガイソウという種で、幾分山深い木陰に見られる種です。他の種との競合があまりないような木陰が好みのようです。新潟県内の自生はほとんどないかもしれませんが、私は湯沢の奥平標山の登山口あたりで観た記憶があります。掘り起こして根を確認したわけではありませんが、根に特徴があるのでしょうか。

ヒゲネワチガイソウの若い果実

2016年06月26日 | 自然観察日記
花はほぼ終わったタイミング。僅かに花弁がしおれて残っているという状態でした。花弁の数で他のワチガイソウとの区別ができるのですが、この状態では難しいので花の茎に毛がないことで判定しています。