森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ミツガシワ

2011年05月31日 | 自然観察日記
リンドウ科として分類される考えとミツガシワ科として区別する考えがあるようです。温帯上部の代表的な湿地の植物でしばしば大群落を形成します。花を近くで見ると興味深いですね。細かな毛のようなものを密生しているのですが、湿地に生息することと関係があるのでしょうか。この写真の個体は花弁が6枚ですが普通は5枚です。特異なものかと周辺を観察するとぽつぽつと6枚の花弁を持つのがあるりますから、この形質はあまり厳密なものではなさそうです。あいにく飛んでくる昆虫はありませんでしたから媒介するものが何かは分かりません。

斑尾高原沼の原湿原 ミツガシワ群落

2011年05月30日 | 風景
長野と新潟の県境に斑尾高原、その一角に沼の原湿原というのがありますが先日訪れてみました。もう暦の上では初夏の季節、早春の草花はもう無いだろうと思っていたのですが、さにあらずまだまだ盛りでなかなか良い景観を作っていました。中でも最も輝いていたのがミツガシワの群落、一周2~3kmの園路の湿地にあちこちに咲いています。ところどころ林の中を歩くのですが広々とした湿原の中の木道をゆっくりと散策を楽しみました。

斑尾高原沼の原湿原 リュウキンカ群落

2011年05月30日 | 自然観察日記
リュウキンカも個体数が多い湿原です。さすがに花の盛りは峠を越しているのですが、それでも場所によっては見事な花を見せていました。今月の初め頃には咲いていたはずですから結構花期は長いのですね。残雪が一様でなく早く消える場所と遅くまで残る場所の関係でしょうか。しかし、この時期には残雪はありませんでした。

斑尾高原沼の原湿原 ミズバショウ群落

2011年05月30日 | 自然観察日記
高原の湿地といえば定番はミズバショウになります。花数は少なくなっていますがこれもまとまって見られるばしょがありました。沼の原湿原の代表的な植物がミツガシワ、リュウキンカ、ミズバショウのようです。しかし、棲み分けをしていて3者が入り乱れているわけではありません(部分的にはありますが)。微妙な生育環境の差や互いの競争作用の関係で広い湿原をパッチ状に分布しているというのも面白いものです。

ビロードエノキタケ

2011年05月29日 | きのこ・菌類
玉切りにした枯れ木にビロードエノキタケが発生しました。名前の通りビロードのように細かな毛が密生し全体にふわふわした肌触り。傘は黄色味がかってはいますがエノキだけの雰囲気を持っています。しかし、エノキだけとは違う属に分類されます。

ベニサラサドウダン ①

2011年05月28日 | 自然観察日記
低地では今が見頃のベニサラサドウダン、自生する県境の尾根では7月上旬がいいのです。浅草岳には見事な大木があって真紅に燃える姿が忘れられません。先日久しぶりのクマガイソウを見た流れで、ベニサラサドウダンも久しぶりに会いに行きたいなぁと考えています。新しい場所へ行くことも良いのですが、次第にかつての思い出の場所に出かけたくなってきたこの頃なのです。

ベニサラサドウダン ②

2011年05月28日 | 自然観察日記
これも越後の名花です。庭木などで低地でこの花を見たことがありません。栽培が難しいのでしょうか。我が家には20年以上にわたって生き続けている株がありますが、ほとんど大きくならずに枝を更新しながら花をつけています。ツツジの仲間は簡単に栽培できるものと難しいものがありますね。

山菜 ウド

2011年05月27日 | 自然観察日記
クマガイソウの群落から下る途中は山菜の宝庫です。おいしそうなウドの芽がいたるところに出ていましたから、自分で消費する分と知人(1名)におすそ分けするする分を頂いてきました。回りを見渡すともう一人山菜取りをしていると思われる人がはるか下のほうで動いているのが見えました。この時期ですからワラビ取りに精を出しているようです。

山菜 ワラビ

2011年05月27日 | 自然観察日記
ゼンマイもまだ見られましたが、ワラビがそれはそれは沢山出ています。親指ほどの太さのものも見受けられます。取るのが趣味の人もいるのですが、私は一握り分だけで終わりにして早々に下山です。途中ウルイやシドキもちょっといただき、また木の芽とゴマナも採取しこの日と翌日は山菜三昧の夕餉になりました。(灰汁抜きのため一晩必要になります)

シライトソウ ①

2011年05月26日 | 自然観察日記
クマガイソウが自生する脇にはシライトソウの個体群もあったのですが、むしろこちらのほうが荒れています。前回はかなりの個体数があったのですが今はせいぜい10個体。やっと花をつけている状態でその変貌振りに大きく落胆をしてしまいました。野性の中で繁殖し続けることの難しさがあるようです。
越後のシライトソウは大型で花穂は10cm以上にもなります。この花の見ごろを迎えた群生はなかなかすばらしいですよ。圧巻です。葉だけ見ればショウジョウバカマと瓜二つでなかなか区別が出来ません。

シライトソウ ②

2011年05月26日 | 自然観察日記
岩陰に寄り添うようにぽつんと生育しているシライトソウです。なんとなくわびしい感じです。種子も落ちているはずなのですが、小さな個体はなぜか見当たらないのです。後ろ髪を引かれる思いですが、自然の成り行きに任せるほかには無いのでしょうね。記録写真だけ撮りました。

自生のクマガイソウ

2011年05月25日 | 自然観察日記
久しぶりの訪問です。本当に久しぶりで、前回来た時からもう15年は経っているのではないかと思います。野生のクマガイソウはまだ健在でしたが以前の植生の雰囲気が大幅に変わっていて、ここを探し当てるのにかなり苦労しました。健在といっても開花株がわずかに11個体、小さな個体を入れると57株と勢いが無くなって来ていると感じました。

クマガイソウの花

2011年05月25日 | 自然観察日記
名前もそうですが本当に不思議な形をしています。園芸店でみればそんなに感じないのかもしれませんが、雪深い越後の山の急斜面にこんな花がまとまって咲いているのです。表現のしようの無いくらい不思議な光景なのです。この光景に再会できた幸せを一人満喫しています。なかなかやってこれる場所ではないのですが、近くには山菜取りの人が立ち入っていますから見つかったらひとたまりも無いのです。どうかずっと見つからずにこの場で繁栄していて欲しいものです。

クマガイソウの幼個体

2011年05月25日 | 自然観察日記
小さな株が沢山あります。でもそれは種子で繁殖したり株別れをして増えたのならいいのですが、前回来た時にはもっと密植していて大型の個体が多かったのに今回はこんな小さな個体が目に付きました。明らかにこの群落を覆いかぶさる潅木のせいで光量不足になって開花株も栄養不足で矮小化したような気がします。