森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

フクジュソウ群生地

2013年04月30日 | 風景
機会があって福島山都のフクジュソウ群生地を訪れました。100万株のフクジュソウというのがうたい文句で、古くからの山村の畑の放棄地に生じているおびただしいフクジュソウの花を観賞することができました。畑の法面やクリ園であった場所もありここで営みを行っていた人々がフクジュソウを大切にしてきて自然に増えてきたのだと思います。種子での増殖で、発芽してから開花するまで7~8年の歳月がいるとのこと。営々とした努力があったのですね。足元にある幼個体を気遣うガイドの人の心根に感心しました。

オオヤマザクラ

2013年04月30日 | 自然観察日記
山都の沼の平にあるオオヤマザクラです。ため池の際にある樹齢100年以上ある大木で「鏡桜」という名がついていました。あいにく雨天で湖面に映る桜を観賞できませんでしたが、一見の価値がある大樹でした。

コシノコバイモ ①

2013年04月29日 | 自然観察日記
今年も見ることができました。カタクリとオオミスミソウとコミヤマカタバミなどと一緒に咲いていて、ちょっとした感動です。小さな地味な花ではありますが、どこか憧れのようなものを持ち合わせている不思議な花だと思います。結構ファンがいてこの花だけを目当てに山野を歩く人もいるとか・・。捜し歩くとなかなか出会えず、予期せぬ時に出会ったりする花の印象があります。

コシノコバイモ ②

2013年04月29日 | 自然観察日記
フリチラリアという豪華な外国種がもてはやされていますが、コシノコバイモはフリチラリアの仲間です。とても豪華なフリチラリアにはかないませんが、クロユリに似た風情もあって人を引き付けます。越後など雪国を代表する春の花です。
昨年この花の種をいただいて蒔きました。今は細長い糸のような5cmほどの単子葉を出しています。これから花が咲くまでどれくらいかかるか実験です。

雹(ヒョウ)が降りました

2013年04月28日 | 自然観察日記
27日の未明から朝にかけて私のいる長岡近辺は大荒れでした。未明、爆弾が破裂したかと思うくらいの落雷があったのちに屋根をたたきつける激しい物音がしました。まだ暗かったので少し時間をおいて庭に出ると大粒の氷の塊がありました。雹です。ニュースの映像では何度も見てはいるものの実物を手に持つのは記憶がありません。1cmを超すものも含まれていました。冷たい!そして、凄い!

雹にやられたカタクリ

2013年04月28日 | 自然観察日記
里山フィールドミュージアムのカタクリも大被害です。花は終盤を迎えてはいるものの、大切な葉がズタズタに破られていて、これでは十分な光合成ができないのではないかと思いやられます。死滅することはないと思いますが、十分な栄養がつくられなければ今年の結実は不完全でなおかつ来年の花は咲かない可能性があります。

雹にやられたアカイタヤ

2013年04月28日 | 自然観察日記
雹の犠牲になったのはカタクリばかりではありません。芽を出したばかりの木々もひどい有様です。これはアカイタヤの高木の下に散乱していた花と若葉の残骸です。大粒の雹が直撃して柔らかい芽や花が折れて散ってきたものです。まだ芽が吹いていないものは被害はありませんが、タイミングの悪い何種類かの草木がありました。GWが始まった初日に落胆させられることが起こってしまいました。自然のなせることですから受け入れなければならないとはいえ、ここから回復するにはそれなりのエネルギーが必要です。

キクザキイチゲの習性

2013年04月27日 | 自然観察日記
越後ではキクザキイチゲも春一番に咲く花ですね。この花を見ていて気付いたことがあります。高密度の個体群には花がほとんど付いていません。まばらに生育している個体群の方が圧倒的に花数が多いのです。ある程度の間隔が必要なようです。この当たりはニリンソウと大きな違いで、ニリンソウが塊りになって花をつけているのとは対照的です。地下茎の伸びるのがキクザキイチゲ、あまり伸びないのがニリンソウという性質があるようですね。

アブラチャン

2013年04月26日 | 自然観察日記
クスノキ科のアブラチャンがいい味を出しています。サンシュユに似て越後の山野に色づいています。そういえばマンサクの黄色の彩が消えてそれを補うようにアブラチャンが咲いているように見えます。油分が多いせいでこんな名前になったとか。「ちゃん」は中国語でタールなどの油を意味する言葉だと聞かされています。しかし、体験的にはこの樹は「油」っぽくないのですが・・・。

アブラチャン 花

2013年04月26日 | 自然観察日記
雌雄異株の樹でこれは雄花のようです。若い実に脂分が多いとか。若い実をつぶした経験がないので実感できませんね。秋の実が熟した時は果皮が良く割れているのが印象的です。

イノシシか? ①

2013年04月25日 | 自然観察日記
谷根に向かう道沿いの小高い畑地に向かう道を歩いて周辺の植物の観察をして、その上の休耕地にでてみると所々地面が掘り起こされたような荒れた状態。周辺の様子から人が耕したものではないとわかりますが、何者が行ったのか・・・?と推測してみると結論はイノシシということになります。柏崎市の谷根、いつしかイノシシの住処になっているようです。長岡にイノシシが出たと大騒ぎした数年前、それまでは新潟にはイノシシがいないというのが定説でイノシシ事件には度肝を抜かれたものでした。自然はどんどん変化している。動物の分布もどんどん変化しているという事実を認めざるを得ない事件でしたね。

イノシシか? ②

2013年04月25日 | 自然観察日記
ところどこころイノシシの足跡のような深い穴がありました。また、何かを掘り起こそうとしたのか30cmくらいの穴があけてあって、10m四方の旧畑地が凸凹状態でした。この様子では付近の畑はかなりの被害が発生しているのではないかと推察できます。西日本のイノシシ被害がときおりニュースになります。越後もそういう状態になってきているのかもしれません。

コシノホンモンジスゲ

2013年04月24日 | 自然観察日記
スゲの花も賑わっているのですがあまり注目されません。細長い葉が沢山重なって綿帽子のような花をつけているのはコシノホンモンジスゲ。斜面に垂れ下がるように生育しています。確かにスゲの仲間は判別が難しく手を出したくないグループの一つです。精通しているわけではありませんが多少の目を持つことができました。

コシノホンモンジスゲ 花

2013年04月24日 | 自然観察日記
スゲの仲間は雌雄同株で花(穂)の構成は先端が雄花、その下に雌花が配置します。この逆の配置をする植物もたくさんあります。風媒花と考えれれますから雄花が先端にあった方が花粉を飛ばすには理にかなっているのでしょうか。スゲは背の高くない小さな草ですからなおさらですね。低木のツノハシバミなどになると風媒花で枝先に尾状の雄花を付けますが、そのさらに先に雌花があるという構造になっています。