森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

オヤマノリンドウ

2013年10月13日 | 自然観察日記
少し高度は低いのですが獅子が鼻湿原の鳥海マリモの付近で見かけたオヤマノリンドウです。この種の一般的な自生は亜高山から高山だと思いますから、低所分布として注目されます。個人的には鳥海山の上部から水の作用で種子が運ばれここで発芽生育したのではないかと思いました。獅子が鼻湿原を歩き回っていないのでかなり感覚的ですが湿原上部にはもっと自生があるのではないでしょうか。
エゾリンドウとオヤマノリンドウの中間のようなエゾオヤマノリンドウという種があることが最近分かりました。エゾリンドウの大きさで花は茎頂にしかつかないという特徴のようです。しかし、この個体は大きさからしてもオヤマノリンドウでいいのではないでしょうか。

マルバマンサク 虫こぶ

2013年10月13日 | 自然観察日記
「何の実でしょうか?」と問われて、見ると虫こぶでした。みるとこ2mほどのマルバマンサクの木に虫こぶが鈴なりです。一見クリの若い実のような姿ですから実ではないかと間違われることもやむを得ないかもしれません。よく探すと葉の付け根には小さな新芽があるのですべての新芽に虫が付いているわけではないのですが、それにしても高い確率で虫が寄生しています。アブラムシの一種が寄生して生ずるものとされますが、これほど寄生されては木の勢いが衰えるのではと心配されるほどです。もっとも近くのマンサクは虫こぶの少ないものもありますからこの個体は運の悪い木のようです。