ブナの林の中の散策中に見つけたものです。高さ20cmほどで葉の部分は枯れていて先端に丸い果実のようなものが付いています。周囲には同じようなものがいくつかあってこの当たりに群生していたようです。この時は何か直ぐには分からず戸惑いましたが、頭の中の辞書をひっくり返していきついたのがシャクジョウソウでした。かつてきれいな花の時期のシャクジョウソウを見た記憶(どこか忘れてしまいました)があるのですが、こういう枯れそうな実の季節のものを記憶にとどめておきませんから直ぐにはわかりませんでした。
こんな年になって「老い」の姿に魅せられます。単純な美しいという感情ではないのですが、凄さというか命を繋ぐ生きることの意味などを感じさせてくれます。シャクジョウソウはもともと腐生植物で葉緑体を持たない植物で、葉の意味はないのですが、この季節は黒く枯れ茎も変色し始めています。しかし、果実は充実していて次の世代をしっかり残せているようで誇らしげですね。
周辺を探しているうちに花が残っている個体に出会いました。どんな種でも気の早いものがいる一方でのんびりものもいます。そういう幅が命を繋ぐには欠かせない能力なのだと思いますから、何事も画一的なことをしたり望んだりする必要はありません。社会や人のあり方もそういう視点で考えるといいのではないでしょうか。
話はそれましたが、シャクジョウソウの花、ギンリョウソウのようにうつむいて咲いています。ギンリョウソウの実は上を向かないはずですから、この違いの意味も何かありそうです。完全に崩れ落ちるまでの変化を追うのも大切な自然観察だと思います。
話はそれましたが、シャクジョウソウの花、ギンリョウソウのようにうつむいて咲いています。ギンリョウソウの実は上を向かないはずですから、この違いの意味も何かありそうです。完全に崩れ落ちるまでの変化を追うのも大切な自然観察だと思います。