***** 災害備忘録 No.27 *****
◆ 大河川が守られた理由 ◆
昨年の秋に相次いだ巨大台風の襲来時に、
最も懸念されていたのが
「江東デルタ地帯」の浸水でした。
荒川・江戸川・隅田川といった
大河川に囲まれたこのエリアは、
いわゆるゼロメートル地帯と呼ばれ、
ひとたび河川が氾濫すれば、
百万人近くの人々が被災すると予測されています。
幸い、昨年の台風通過時に関しては、
これらの大河川はギリギリで決壊を免れ、
目立った被害を出さずに済みました。
また、荒川などの上流域に当たる埼玉県平野部でも、
一時は広域避難のレベルまで水位が達したものの、
ここでもまたギリギリで水量が保たれ、
避難指示も空振りで終わっております。
巨額の治水対策やダムの整備が
功を奏したのはもちろんですが、
あくまでも個人的な感想を述べるならば、
南関東の水がめである北関東の山間部において、
いくつもの中小河川が決壊したことにより、
大河川への水の流失が抑えられた
のではないかとも感じるのですね。
恐らく、これまでの災害においても、
このような「身代わり」の被害は出ていたのでしょう。
今回被災を逃れた人々や大都市圏に住む人々は、
これら「身を挺して」守る地域があることを、
忘れないようにすべきなのかもしれません。