たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

アラとタタラ

2019-03-20 09:11:07 | 出雲の神社

<大宮・氷川神社 ひかわじんじゃ>

 

実は、出雲国と武蔵国とのつながりは、

「スサノオ」や「アシナヅチ・テナヅチ」

に限ったことではなく、現代人の苗字にも

その痕跡が色濃く残っているそうです。

例えば、埼玉県は「荒井」「新井」という姓が、

非常に多いと言われていますが、

鳥取県(特に東部)のあたりでも、

「アライ」姓をよく見かけるのだとか。

また、アライだけでなく「アダチ」という姓も

出雲近辺では一般的で、こちらは大宮市の

旧地名である足立郡を彷彿させる苗字ですね。

 

ちなみに、「アライ」の「アラ」とは荒神を指し、

タタラ(製鉄)の神を示す言葉だと聞きました。

大宮の近辺では、古代のタタラ場の跡が

発見されたという話もありますし、

毎年12月10日に行われる氷川神社の大湯祭は、

「御火祭り」「火剣祭」とも呼ばれ、

製鉄と関連する門客人神社の例祭です。

 

一説には、「アラ」という言葉がつく姓は、

「安羅の国の渡来人である安部族由来の姓」

との話もあることから、安倍氏が治めていた

奥出雲のタタラ民ともつながる苗字なのでしょう。

仮に、「アラ」がアラハバキの「アラ」だとすれば、

「アラ」あるいは「アダ」などの苗字や地名が多い場所は、

「イズモ」や「タタラ」に縁する土地なのかもしれません。

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