<大宮・氷川神社 ひかわじんじゃ>
実は、出雲国と武蔵国とのつながりは、
「スサノオ」や「アシナヅチ・テナヅチ」
に限ったことではなく、現代人の苗字にも
その痕跡が色濃く残っているそうです。
例えば、埼玉県は「荒井」「新井」という姓が、
非常に多いと言われていますが、
鳥取県(特に東部)のあたりでも、
「アライ」姓をよく見かけるのだとか。
また、アライだけでなく「アダチ」という姓も
出雲近辺では一般的で、こちらは大宮市の
旧地名である足立郡を彷彿させる苗字ですね。
ちなみに、「アライ」の「アラ」とは荒神を指し、
タタラ(製鉄)の神を示す言葉だと聞きました。
大宮の近辺では、古代のタタラ場の跡が
発見されたという話もありますし、
毎年12月10日に行われる氷川神社の大湯祭は、
「御火祭り」「火剣祭」とも呼ばれ、
製鉄と関連する門客人神社の例祭です。
一説には、「アラ」という言葉がつく姓は、
「安羅の国の渡来人である安部族由来の姓」
との話もあることから、安倍氏が治めていた
奥出雲のタタラ民ともつながる苗字なのでしょう。
仮に、「アラ」がアラハバキの「アラ」だとすれば、
「アラ」あるいは「アダ」などの苗字や地名が多い場所は、
「イズモ」や「タタラ」に縁する土地なのかもしれません。