<上一宮大粟神社 かみいちのみやおおあわじんじゃ>
名西郡神山町にある上一宮大粟神社のご祭神、
大宜都比売命 (おおげつひめのみこと)は、
穀物や養蚕を司る神様であると同時に、
「阿波(粟)の国」を象徴する女神です。
古事記では、高天原を追放されたスサノオに対し、
自らの口、鼻、尻から様々な食べ物を
吐き出してもてなしたにも関わらず、
そのやり方が「不敬だ」と切り殺されてしまうなど、
少々不遇な立場に置かれています。
またその死後、大宜都比売命の屍体の各部より、
日本人の日常生活に欠かせない、
蚕・稲・粟・小豆・麦・大豆などの
貴重な動植物が生じたことから、
日本の「食物起源神話」のモデルとして、
取り上げられる機会を多々目にするもの。
食物起源神話はハイヌヴァレ型神話とも呼ばれ、
以前記事にした名草戸畔のシリーズでも、
重要テーマのひとつとしてご紹介しました。