<若桜神社 わかさじんじゃ>
宍粟市から若桜街道を北上し、
峠を越えて鳥取県に入ったあたりで、
空から静かに雨粒が落ちてきました。
逆にいえば、天候が変わったことで
「あー県境を越えたな」と気づいたのですが、
のちに近辺の神社で聞いたところ、
鳥取との県境付近を境にして、
「太平洋側」から「日本海側」の気候へと
ガラッと変化するのだそうです。
古くは八上と呼ばれていた八頭郡の一帯は、
お隣の兵庫県宍粟市などと同様、
産鉄地として知られた土地柄で、
若桜町の「桜」という文字は、
「サ」「クラ」ともに砂鉄を表す言葉だと聞きます。
現在、若桜町は「わかさ」と読むのが正解ですが、
地名の語源をたどると、平安時代の天皇直属の集団
「若桜部(わかさくらべ)」にちなむという説が
あるそうですから、古くは「ワカサクラ」という
名で呼ばれていた可能性が高いのでしょう。
熊野の記事でご紹介した
「矢倉(神の座す場所・神の救いがある場所)」
という解釈を踏まえれば、「サクラ」とは
「鉄の神がいる場所」という風に
解釈できるのかもしれませんね。