<白山中居神社 はくさんちゅうきょじんじゃ>
「いとしろし」
白雲たなびくこの地を山頂から眺め、
イザナギが発したこの言葉が発端となり、
白山中居神社が鎮座する土地の名称が、
石徹白と呼ばれるようになったと聞きます。
ちなみに、白山中居神社の社記には、
イザナギとイザナミの別れの場面で登場する、
千引岩・許等度・白雲から一文字ずつとって、
石徹白と名付けられたと書かれていますが、
中居神社の宮司さんとの会話の中で感じたのは、
遥か神話の時代から、「白」という色が、
この地にとって特別な意味を持つということでした。
「白き山」である白山の周囲には、
「白峰」「白鳥」「白川」…等々、
「白」と名のつく地名がたくさん点在します。
そしてこの地の深いところでは、白い石英の礫が、
長きに渡る白山の物語を無言で伝えています。
もしかすると「いと白し」輝きを放っていたのは、
白山を彩る白い玉石のことだったのでしょうか…。
中居神社の境内を流れる禊の川に目をやると、
そこには大小様々な白い石たちが、
人間の思惑などまるで無関心な様子で、
ただ静かに水の流れを作っていました。