<荒神谷遺跡>
***** 古代の出雲3 *****
「出雲の荒神」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、
358本もの大量の銅剣、6個の銅鐸、
16本の銅矛が出土した「荒神谷遺跡」かもしれません。
何でも、近隣の広域農道建設に伴う調査の最中、
担当者が田のあぜ道で一片の土器
(古墳時代の須恵器)を拾ったことが、
貴重な弥生遺跡の発見につながったそうですが、
今なおそれらの青銅器が、
「いつどこで造られたか」
「誰が何のために使ったか」
「なぜ埋められてしまったのか」
などの疑問に関しては、何ひとつとして
明確な答えが出ていないと聞きます。
ちなみに、出土した場所は
「出雲市斐川町神庭西谷」にある細長い谷でして、
荒神谷という名称は遺跡近くに祀られていた
「三宝荒神」にちなんで名付けられたのだとか……。
「神庭」とは神祭りの場を指し、「西谷」とは
「斎谷」であり先祖を祀る斎場を意味します。
ゆえに、本来は「神庭荒神谷」と呼ぶほうが適切であり、
「荒神谷」という表記には少なからず
反対意見もあるという話も耳にしました。