<鬼神神社 おにかみじんじゃ>
鬼神神社の入り口近くにある大きな船形の岩は、
スサノオとイソタケルが鳥上山に降り立った際、
乗ってきた船が岩と化したものだと伝えられています。
その際、鬼神神社の裏山は、二神を導くように光輝いて
神々を出迎えたため、「船燈山」と名付けられたのだとか。
ちなみにですが、奥出雲を目指して急いでいた夕暮れ時、
すっきりと晴れ渡っていた空がにわかに暗転し、
突然車体を叩きつけるかのような豪雨に襲われました。
前方に目をやると、船通山の上方で鋭く走る稲妻が、
雷鳴とともにあたり一帯に強い光を散らしています。
あまりにも急な展開に、「いったいこれは……」
とうろたえながら、必死にハンドルを握っていると、
ふいに目の前に現れたのがこの鬼神神社だったのです。
まるで天から矢が落ちてくるような雷雨に打たれながら、
やはり「奥出雲には鬼がいる」と確信したのでした。