<朝山神社 あさやまじんじゃ>
出雲市内から立久恵峡方面へ向かう途中、
国道184号を逸れて山道を5分程車で走ると、
朝山神社(あさやまじんじゃ)が見えてきます。
『出雲国風土記』に登場するこの神社の鎮座地は、
標高120メートルの宇比多伎山(朝山)の山中。
実は、出雲には「山の中」に鎮座している
神社が意外にも少なめで、どことなく
平坦な印象を個人的には感じていたのですが、
この朝山神社への道中は「おっ、久々に来たかな」
と思うような「山っぷり」でして、
短いながらもくねくねと曲がる山道を走り、
森が開けると同時に神さびた社殿が見えてきた瞬間は、
いつものように逸る気持ちを抑えきれませんでした。
(まあ、公園や駐車場などが整備されて
いるところは、さすがに出雲ですが……)。
昨今、観光地化の激しいこの一帯で、
「古代の出雲」を見つけるのは至難の業です。
人の気配のない早朝の朝山神社の境内には、
もはや感じることさえ難しくなった
「古い出雲の空気」が色濃く漂っておりました。