***** 災害備忘録 No.24 *****
◆ 周囲との温度差 ◆
「被災者」と「非被災者」との間には、
どうあがいても埋められない溝ができるもので、
昨年の台風被害においても、
ほんの数百メートルの範囲内に両者が混在し、
微妙な空気感が漂っておりました。
さらには、災害未経験者の「無関心さ」や、
近隣市町村の人々の「素っ気なさ」にも、
毎回残念な思いを抱くのが常でして、
災害からさほど日がたっていないにも関わらず、
まるで「他人事」のように対応されると、
思わずため息をつきたくもなります。
誰もが「一歩間違えば被災者になっていた」
可能性もあるというのに、人間というのは
自分自身が痛い目に遭わない限り、
他人の痛みには気づけない生き物なのでしょう。
ちなみに、数年前に東日本大震災の
被災地を訪れたとき、現地の人たちが
「他の地域の災害」について、
意外なほど詳しいことに驚きました。
やはり、自らが災害を経験すると、
他の災害にも自然と関心が向き、無意識に
被災地へ心を寄せるようになるのでしょうか……。
できることなら私たちも、他人の痛みを想像し、
気持ちを添わせることができたら幸いですね。