<丹生都比売神社 にうつひめじんじゃ>
一部の人たちの間では、
パワースポットとして知られる
八倉比売神社・奥の院という場所ですが、
実際に五角形の祭壇の前に立ってみますと、
どことなく居心地の悪さを感じるのも確かです。
磐境神明神社で感じた「生気」とはまた違う、
空気が止まったかのような重たい静寂が、
あたり一帯を支配していました。
もしかするとこの地にも、
名草戸畔や丹敷戸畔などと同様、
渡来人に土地を奪われた女性首長が存在し、
この祭壇の下で眠っているのでしょうか……。
「比売」という名で祀られたその女性は、
土地の神に仕えた巫女であり、
のちに「卑弥呼」と呼ばれる
ようになったのかもしれません。
ちなみに、江戸時代までこの一帯からは、
大量の「丹」が染み出していたと聞きます。
「丹(水銀朱)」と聞いて思い出すのは、
丹生都比売大神という神様ですね。
一説によりますとこの神も、
「土着の女性首長」との関わりが深いとされ、
「丹」の生産地にはしばしば、
丹生都比売をお祀りしている場所が見られます。