<池野山・八坂神社 いけのやまやさかじんじゃ>
池野山・八坂神社は、前回訪問した
近隣の神戸神社との縁が深い場所です。
実は神戸(こうど)という呼び方も、
スサノオの命の別名とされる
牛頭天皇の「頭(こうべ)」から
来ているのではないかという話があり、
この近隣一帯に早くから「スサノオ信仰」
が根付いていたことがわかります。
熊野地域の無社殿神社には、
「鳥居を建ててはいけない」
「社殿を作ったら火事になる」などの
言い伝えが残るところも多いのですが、
それらの伝承の中には、
古代の自然信仰を司るスサノオが残した、
「人工物でなく自然を拝め」という
人間への強い戒めが含まれているのでしょう。
様々な形態の無社殿神社を巡っていますと、
「●●がなければもっといいのに…」
と思うような聖域が、少なからず見受けられます。
中には強い信仰心がアダとなり、禁忌を冒して、
人工物を置いたケースもあるようです。
鳥居や社殿などがなくても、当たり前のように、
目の前の自然に手を合わせられる人が増えれば、
神社の風情も変わって行くのかもしれません。