<滝祭神 たきまつりのかみ>
式年遷宮という制度を見てもわかるように、
日本人は長い年月をかけ「繰り返すこと」で、
目には見えない様々な存在を守ってきました。
神様に対してお食事や調度品を整えたり、
何もない空間に対して感謝の言葉を述べたりと、
一見「無駄」としか思えないようなことを、
数千年もの間、粛々と繰り返してきたのです。
きっと、神様を敬う気持ちや先祖代々続く風習が、
最終的に大きな恩恵をもたらすという真実を、
多くの日本人が気づいていたのでしょう。
もし仮に、他の国の人々や他の民族の人々が、
このような日本式の信仰を真似たとしても、
そこにはやはり「自分自身のために」
という邪心が生じるはずです。
「ただ神に感謝をする」という、
不可解な行為をすんなりと実践できるのは、
日本人だけが持つ稀有な特性なのですね。
今多くの日本人が、神様を
「幸運を得るための道具」にしています。
「神や自然には感謝のみ」という
基本に立ち返る必要があるのでしょう。