***** 大嘗祭 No.25 *****
日本人の古い信仰である、
「ニイナメ」に端を発する「大嘗祭」ですが、
南北朝の時代が始まるとほぼ同時に、
「即位灌頂(そくいかんじょう)」という
密教的要素の強い内容に変更され、
92代・伏見天皇から幕末の孝明天皇に至るまで、
大嘗祭の代替儀礼として継続されたと聞きました
(一部の天皇は両方を取り入れたという話も……)。
日本に仏教が伝来して以降も、
かろうじて守り通してきた天皇祭祀の伝統は、
ある期間いわゆる「異国の宗教」と混合したわけで、
その大きなきっかけを作ったのが、
「流行り病」だったのではないかと
個人的には想像しておるところです。
ちなみに、飛鳥時代に登場する「用明天皇」は、
歴代の天皇の中でも、いち早く仏法に
重きを置いた人物だと言われております。
父である敏達天皇が仏教禁止令を出すなど、
どちらかと言えば廃仏派寄りの
行動を取っていたのに対し、
用明天皇は「朕は仏・法・僧の三宝に
帰依したい」と仰せられるほど、
仏教を擁護する立場を公にしておりました。