<八倉比売神社 やくらひめじんじゃ>
やっとの思いで八倉比売神社の
ご神域にまでたどり着いたとき、
視界に飛び込んできたのは、
境内の片隅に置かれていた古いお神輿でした。
雨除けのシートがかけられたそのお神輿には、
真新しい榊と御幣が捧げられており、
いつでも出陣できるよう、
静かに出番を待っているようにも見えます。
「なぜこんなところにお神輿が?」と
不思議に思いつつ神社の案内板を見ると、
どうもこれからお祭りが行われるとのこと。
そのときはまだ境内は無人でしたが、
これから氏子の人たちが集まり、
「神への宴」が行われるのでしょう。
滅多にない催しに遭遇するとは、
何とも奇遇なことと驚いたものの、
先を急がなければならない身としては、
お祭りを拝見するための時間がありません。
後ろ髪を引かれる思いで本殿への参拝を済ませると、
目的地である神社の裏山へと一目散に足を向けました。