***** 子年の展望 No.50 *****
昨日、三輪山の「大物主神」が
祟りを成した理由について、
あれこれと想像してみましたが、
一方で三輪山から追いやられた
「天照太御神」や「倭大国魂神」は、
当時どういった立場だったのかを
考えてみることにしましょう。
まず、崇神天皇が最初に気づいた奇異とは、
「三種の神器」の鳴動だったと言われております。
何でも、夜な夜な「神器」が鳴り出す様子に
恐れをなした天皇が、これを「国難の原因」
と判断したため、天照太御神の御魂が宿る
「鏡(および剣)」を宮中外に出すこととなりました。
ただし、その後の経緯を見ても、
「天照太御神」自体が祟りの元凶である
可能性は低く、また豊鍬入姫命の祭祀も
功を奏したようですから、
恐らく「天照太御神」に関しては、
単に地主神(倭大国魂神)や三輪山(大物主神)
との相性の問題があったのかもしれません。
つまり、この時点ではまだ「天津神」は、
「国津神」や「土地の神」の全面的な許可を
得られていなかったとも考えられるのですね。