<しめ縄資料>
垂仁天皇の命に従い、田道間守が
常世の国から持ち帰った「橘(たちばな)」は、
一説に「橙(だいだい)」だったのではないか
という話があるそうです。
「橘(たちばな)」という植物が、不老長寿の象徴
であることは良く知られておりますが、
お正月のしめ縄や鏡餅に使用される
「橙(だいだい)」に関しても、長期間実が落ちない
特性を持つことから、子孫繁栄を意味する
縁起物として重宝されていると聞きます。
いずれにせよ、田道間守が自らの命と
引き換えに探しに出かけたのは、
「命」や「寿命」に関わる
「何か」だったわけですね。
ちなみに、不老長寿の「薬」を探し当てた
田道間守は、日本への帰途に際し、
手に入れた果実を蔓形(蔦のように縄で結ぶ)や、
矛形(竿に串刺しにする)などの形状に
整えて保管していたのだとか……。
この話を耳にしたとき思い浮かんだのが、
伊勢地方に伝わる「橙(だいだい)」を付けた
独特の形のしめ飾りでした。
「笑門」「千客万来」「蘇民将来子孫之門」
などと、墨書きされた門符を括ったこのしめ縄は、
実は牛頭天皇や古代ユダヤとのつながりを
深く感じさせる「祭祀具」でもあるのです。