<つるぎ町・伊良原>
磐境神明神社で見られるような
石板を四角に組んだ人工的な石殿は、
剣山の北斜面から東斜面にかけての山間部一円に、
およそ1000基以上存在すると言われています。
これらの石殿は、「山の神」「オカマゴさん」
「オフナトさん」「秋葉さん」などと呼ばれ、
一見どこにでもありそうなのどかな山の集落に、
ある種独特な色を添えていました。
ちなみに、熊野の無社殿神社の記事の中で、
巨石と太陽信仰の関連について書きましたが、
立石をまっすぐに立てて置いたり、
複数の立石を直線に並べたりする文化は、
太陽祭祀の顕著なパターンでもあります。
立石をはじめこの地に散らばる様々な石が、
「太陽」を招くための目印だと考えると、
剣山一帯が巨大な太陽祭祀の斎場
だった可能性も見えてきそうです。