<気仙沼・賀茂神社 かもじんじゃ>
宮城県と岩手県の県境付近に、
気仙沼市唐桑町大沢という地域があります。
お隣の気仙沼市と合併するまでは、
唐桑町と呼ばれていた一帯ですが、
ここは古くから何度も津波に襲われた場所で、
今回の東日本大震災でも、180軒あったうちの
140軒の民家が被災し、犠牲者も多数出たそうです。
国道沿いに修復中の神社があるのを見つけたので、
車を止めてお参りしてみると、
そこは大沢地区の産土神である賀茂神社でした。
この神社は、今回巡ってきた神社の中でも、
特に海に近い低地に建てられていたため、
当然ながら社殿は流されてしまっただろうと思いきや、
何とか全壊は免れていたということを後で知りました。
ただ、巨大津波は神社の鳥居を押し流し、
社殿へと続く頑丈な階段や手すりは、
波の力で大きくへし折れてしまったそうです。
津波襲来の後に撮影された写真には、
瓦礫で埋め尽くされた境内と、
社殿の脇に車が突っ込んでいる様子が映っており、
この地区の被害状況を如実に物語っていました。