10日ほど前、奈良県を舞台に大変な出来事が起こりました。
私自身も未だに諸々のダメージを引きずったままで、
日本の行く末をただぼんやりと思案する毎日が続いております。
実は若かりし頃、現場となった場所の近くで暮らしていたのですが、
繰り返し流れるテレビの映像とともに、
記憶の底に眠っていたはずの当時の記憶が、
現場の景色にオーバーラップするという
何ともカオスな状態を体験した次第。
それは、これまでにない不思議な感覚を伴うもので、
封印していた過去と現在とが一緒くたになり、
別の未来を上書きして行ったような印象でした。
あと数か月もすれば、事件の衝撃も徐々に薄れ、
世の中は日常を取り戻したかのように見えるかもしれません。
ただ、国民一人一人の心の様相は明らかに変化をしましたし、
日本の未来はこの出来事をきっかけに大転換をしたはずです。
事件の細かい背景はわからないものの、
現在メディア等で明らかにされている「事実」などは、
ごくごく近年の動きで表面上の理由づけにすぎません。
言えるのは、私たちは「目撃者」だという事実です。
奇しくも歴史の転換点となる稀有な一場面に
立ち会ってしまったということでしょう。
恐らくそれが日本と言う国の役目であり、
奈良と言う土地の因縁であり、
今に生きる日本人に与えられた
「見届ける」という使命なのだと思います。
どのような思いでこれからの国を再構築するのか、
「たったひとり」で重い責務を背負って旅立たれた故人に恥じぬよう、
まずはこの時代に生かされている重みを再認識したいものです。
ご冥福を心よりお祈り申し上げます。