治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

悲しみから希望へ

2011-11-14 07:32:55 | 日記
さて、急な告知にもかかわらず大勢の方に、そして遠方からもお越しいただいたちゅん平さんとのジョイント講演が終わりました。ありがとうございました!
場内にすすり泣きも聞こえた講演でした。
そう。現在一般就労に至った姿を見るだけだったら、ちゅん平さんは特別な自閉っ子に見えるかもしれない。そうではないのです。
ご家族にも愛情がたっぷりとありながら、ひっそりと文化が違ったゆえの心のすれ違い。
幼いころのちゅん平さんは、解離することでそれに対処しました。
本当に辛い日々があったのです。だからこそちゅん平さんは、大地君の本に癒されてるらしい。自分と同じ特性を持った少年が、教えられるべきことをきちんと教えてもらって育つ姿に、勇気づけられるようです。

講演が終わり、福岡国際センターに向かいました。
九州場所に出かけようと思ったときには、ただ稀勢の里の大関取りを応援するだけの気持ちでした。
まさか鳴戸親方が伝達式用に新調された羽織袴であの世に旅立たれ、初日を迎えようとは。
現地の方に手配していただいた席は東の花道の真上。私もテレビに映ったらしく、何人かの方からメール等いただきました。
東の関脇である稀勢の里の姿は、間近に見る事ができました。
通夜、告別式と慌ただしく心労も大きく稽古不足で迎えた初日は苦手の相手。割通りですが、容赦ないな審判部、っていう感じでした。

鳴戸勢が次々敗れる重苦しい雰囲気の中稀勢の里の取組が。
私は天井を見上げ、そこから見ているに違いない偉大なる横綱隆の里にご加護をお願いしました。
万全の状態ではありませんでしたが、稀勢の里は最後まで押し続けて白星。花道を引き上げて来る時の目は真っ赤でした。この数日、稀勢の里には何度ももらい泣きしていますが、またしてしまいました。

ちゅん平さんが言っていました。身に振りかかってきたことは、たとえ自分のせいじゃなくても、自分で乗り越えなくてはならない。
悲しみの向こうには、きっと希望があるでしょう。

希望を繋いだ一日でした。