本澤二郎の「日本の風景」(4773)

<人が人を殺す猿以下の社会=袖ヶ浦市レポート6>より、転載させて頂きました。

 黄砂襲来である。黄塵万丈という言葉は、前漢(紀元前206年)の書「春秋繁露」に出てくる。黄砂の被害は古いが、中国の経済成長と世界的な地球温暖化が重なって、その規模は空前の広がりを見せ、とうとう今年は日本列島の全域に飛来した。人間の悪しき行動が、地球を怒らせているのである。

 袖ヶ浦市はどうか。ヒロシマナガサキの教訓に反した戦争犯罪者・A級戦犯の輩が、核武装を目的に始めた原子力発電所建設に起因する。岸信介・正力松太郎・中曽根康弘・渡辺恒雄ら極右の面々による、54基もの大量の原発の一つが、巨大地震で崩壊し、炎上した。311のフクシマ東電大惨事を引き起こした。そのフクシマの核のゴミを、あろうことか房総半島の中央部の水源地に埋設。恐ろしい事態に住人は生きた心地もしない。「終の棲家」に東電のフクシマ放射能汚染ゴミと共存させられてしまったのだ。加えて、中国人経営の企業から垂れ流される有毒汚染水も追い打ちをかけている! 

 

<水源地の桃源郷で水を買って生きる哀れな地元住民>

 普通の人間であれば、まともな企業であれば、人間の命を奪うような悪徳ビジネスに手を染めるだろうか。「人間らしい人間はしない」のだが、中には人間の命を奪っても暴利を手にしようとする「猿以下人間」がいる。

 2014年ごろから袖ヶ浦市の水源地・林地区で起きていた!住民が気付いたのは2019年と遅かった。既に放射能汚染ゴミは、盛土で高く蓋をかけられていた。同時期に、金属を洗浄した危険な有毒汚染水は、何年もの間、水田地帯に垂れ流されていた。

 

 以前は草競馬場もあった林地区。幼いころ、子供たちは連れ立って農用馬の競争に心躍らせた。風光明媚な自然の宝庫が、今は完璧に打ち砕かれてしまった。人々の中には、それでも必死の思いで生きようとして、天然水を買って飲んでいる人もいる。しかし、それすらできない人たちもいる!

 あなたならどうする!地方にも全体の奉仕者である公務員が存在している。市民の安全な生活を約束してくれるはずなので、市民は血税で一番安全な生活をさせている。従って、彼らは事前に、人を殺しかねないビジネスをやめさせる責任と義務を負っていたのだが。

 袖ヶ浦市の公務員も、そして市民の代表である議員、そして首長も市民を裏切ってきた!こんな地方行政と条例をつくる地方議員ばかりだった! 

 昔であれば、斬首される面々ではないだろうか。心底そう思ってペンを動かしている!

 

<犯罪企業は頭かくして尻隠さずの逃亡作戦>

 以前に「泥棒猫」と書いたところ、猫の愛好者から注意を受けた。しかし、現実には存在する。人間は動物を飼い捨てにする、あるいは自宅から遠方に捨てて去っていく。捨てられた猫は、それでも生きるために、家々の軒先の食べ物を見つけると食らいつく。泥棒をするように仕向けた人間に非がある。

 近くのSさんは、息子ともども猫に大金をかけている。愛猫派は少なくないらしい。幼いころの記憶だが、猫は畑などで便をすると、その後に足を使って砂をかける。本来は清潔な生き物らしい。泥棒猫をしかると、まずよほどのことが起きない限り、寄り付かなくなる。分かっているらしい。

 

 だが、人間の屑は違う。姑息な手を使って「かくれんぼ」に必死となる。歴史の改ざん・隠ぺいは、権力の中枢でよく繰り広げられた。安倍内閣が特にひどかったが、隠しおおせるものではない。「天は見ている」「因果応報」なのだ。

 

 例の山林所有者とワコーエコテックの覚書は、当事者を法的に縛りをかけている。土地は社会的な公共財である。森は人間を育む貴重な資源である。揺るがせにできるわけがない。覚書の法的拘束力は今も生きている。おかしなことをすれば「原状回復」の責任を負う。ワコーエコテックの姑息な手口も、そこから逃亡することは出来ない。

 しかし、人の命を害するような悪徳ビジネスの輩は、それゆえに「逃亡」を試みるだろう。案の定、2014年4月30日に山林所有者となった有限会社・ワコーエコテックは、2017年12月13日に株式会社・シムケンに名称変更した。2019年8月22日にはエコトランジット、2022年11月7日になると、今度は再びシムケンに土地の所有権を移している。不可解な土地ころがしなのか、住民の目を欺こうという姑息な手段なのか。

 

<ワコーエコテックのうたい文句は事実に相反>

 「地球と資源、人と自然をつなぐ」?これがワコーの企業宣伝である。事業活動には、多かれ少なかれ詐欺的要素があるのだろうが、これは真逆もいいところだろう。宣伝資料には、平成16年に設立、事業内容は産業廃棄物処分業。資本金300万、代表者前橋二三男。「廃棄物は未来の資源」は正しいが、やってることは正反対であろう。住民の怒りと反発は、目下一段と強まっている。

 埼玉県やさいたま市の許可もとっている。問題の日高金属は埼玉県だ。双方に関連があるのかどうか?林地区元区長は「木更津市真理水田に産廃を埋めた」という。木更津市農業委員会が了解したと。事実ならワコービジネスは木更津市にも点火したことになる。

2023年4月13日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)