高湿度で極暑のなか、炎天下遮るものが何もない(C)共同通信社

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 この危険な暑さに、建設業者から不安の声が広がっている。

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 6日、開幕まで250日を切った大阪・関西万博。会場建設の遅れが指摘され、開催費用がかさむなど課題は山積みだが、今度は建設現場の安全確保に疑問の声が出ている。

 大阪では8月に入ってから、最高気温が35度を超える猛暑日が連日つづいている。かねて万博は熱中症の危険性が指摘されているが、過酷な暑さの中にいるのは現場の作業員も同じだ。

「全国建設労働組合総連合」の関西地方協議会は先月10日、「大阪・関西万博工事における爆発事故等や酷暑をふまえ、あらためて、現場従事者の命・健康・人権最優先の対応を求める」声明を発表した。

 会場建設に従事する作業員の熱中症のリスクが放置されているというのだ。事務局の村瀬宏典氏はこう話す。

「建設現場からは暑くて作業が大変だという声が聞かれます。会場の夢洲は人工島です。直射日光を遮るものがなく、そのうえ太陽光の照り返しが厳しい。湾岸エリア特有の高湿度にもさらされます。日陰も少ないため、作業員は休む場所がないのです。水分を確保する手段も限られています。移動コンビニなどはありますが、休憩時間には長蛇の列ができ、水の調達が容易ではない。もちろん水道なども整備されておらず、不満の声が上がっています」

■救急搬送が遅れる状態も放置

 救急医療体制にも問題がある。

「夢洲はアクセスが悪く、渋滞も発生するため、病院への救急搬送に時間がかかります。実際、開催期間中には会場内に救急車を配備する計画を示すなど、主催者側はそのリスクを把握している。にもかかわらず、現在働いている作業員にはそういった対策が施されておらず、何かあった時の体制が整っていない。本当に現場の安全を考えているのでしょうか」(村瀬宏典氏)

 幸い、現時点では大きな混乱は起きていないというが、この猛暑だ。過酷な労働環境であることは間違いない。

「いのち輝く未来社会のデザイン」ってテーマはどうなってんねん。

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