中央銀行は、100年以上前に始まり、現在の危機をつくり出した主役だ。以下は、誤った中央銀行の政策が生んだ2000年代の重要な出来事である:

●2000-2002 市場崩壊: ハイテク株80%ダウン
●2006-2008  サブプライム・バンキング危機: ダウ工業株30種平均は54%下落、大量の紙幣を印刷
●2009-2021  株と資産市場が爆発的に上昇: NYダウは6倍、ナスダック総合指数は16倍に上昇
●2006-2020  金利の操作: 米国10年物国債が5.4%から0.5%へ低下
●2000-2023  米国の債務が爆発的に増加: 2000年の2,700万ドルから2023年の9,500万ドルへ3.5倍増
●2000-2023  世界的な債務爆発: 2000年の100兆ドルから2023年には3倍の300兆ドルへ増加
●2020-2023  米国とEUの実質インフレ率: 2020年の0%から2023年は10%以上に上昇

 米国は利上げをしないとインフレ懸念が浮上し、利上げをすると景気後退や株の下落を招来するというデッドエンドを迎えている。

 来日し日本株ブームを巻き起こしているバフェットだが、一方で、「銀行の破綻が増える可能性が高い」と述べている。バフェットの頭の中にあるのは、日本の5大商社よりも金融危機である。

 バフェットは金融危機時に金融機関に投資を行い大成功した。2008年の世界金融危機の際、ゴールドマン・サックス・グループ(GS)に50億ドルを出資した。また、バンク・オブ・アメリカ(BAC)は2011年にサブプライム住宅ローン絡みの損失での株価が急落した後、バフェットから資本注入を受けた。

バンク・オブ・アメリカ(日足)

(マーケットナビゲーターの売買シグナル ピンク:買いトレンド・シアン:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター

 バフェットは金融マフィアでもある。リーマンショックに続いて、規格外の安値で金融株をまたもや手に入れることになるのだろうか? ただ、本格的な金融危機というか、<金融システムの崩壊>はまだ先である。そのトリガーは利下げが引く。