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千葉県の有力医療法人破綻の裏に「驚愕の疑惑」、前理事長と美女・カネ・反社…

2023年04月29日 09時17分23秒 | 社会・経済

千葉県の有力医療法人破綻の裏に「驚愕の疑惑」、前理事長と美女・カネ・反社…

ダイヤモンド・オンライン

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千葉県の有力医療法人破綻の裏に「驚愕の疑惑」、前理事長と美女・カネ・反社…
札束を手に美女とほほえむ心和会の前理事長

 千葉県の有力医療法人である医療法人社団心和会が4月4日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、経営破綻した。裁判所に提出された「民事再生手続開始申立書」で明かされた驚きの内幕とは。(東京経済東京本部長 井出豪彦)

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● 民事再生手続き開始申立書に書かれた 経営破綻に至る驚きの原因

 4月4日、医療法人社団心和会(千葉県四街道市)が東京地裁に民事再生法の適用を申請し、経営破綻した。心和会は千葉県内を中心に9つの医療施設を展開し、年間収入約100億円に達する有力法人だ。

 破産手続きとは異なり、医療サービスは続いているため、1000人以上いるとされる入院患者を危険にさらす事態は回避されたものの、裁判所に提出された「民事再生手続開始申立書」によれば、公租公課・社会保険料の滞納額だけで74先に対し16億8500万円に達しており、資金繰りは完全な破綻状態にあったことがうかがえる。

 なぜこんなことになってしまったのか。先の申立書では原因について次のような驚きの内幕が明かされた。

 「平成29年7月頃、申立人(筆者注:心和会)は、意図せずに反社会的勢力の関係者による不当な介入を受けて以後、申立人の前理事長(同:荒井宗房氏)が、これらの者から度重なる恐喝を受け続け、抗拒不能の状態(同:身体的または心理的に抵抗することが著しく困難な状態)に陥った結果、多額の資金流出を許す結果となった」

 「上記多額の資金を流出させた悪質な手口は多種多様であり、その一つとして当法人は多額の虚偽の債務を負担する旨の公正証書の作成を強要させられ、また、多数の偽造手形・偽造小切手が作成されることとなった」

 「その結果、申立人の簿外債務が増加し、その返済のために手元資金が枯渇していった他、遂には、高額な偽造小切手が行使された結果、2度の不渡りが生じ、令和5年3月14日に銀行取引停止処分を受けるに至った」

 荒井宗房前理事長(44)は今年2月に辞任した。にわかに信じがたいが、地域の有力病院のトップが2017年から5年以上もの間、反社会的勢力の言いなりになり、その筋に多額のカネが流出してしまったというのだ。心和会は民事再生の申し立てとセットで「暴力団等反社会的勢力排除宣言」を採択したとのリリースをホームページに掲載した。

 ちなみに、負債総額は約132億円(前述の公租公課等の滞納額を含む)であることも開示されたが、申立書の債権者一覧にはこれとは別に、「負債を否認する」と注記された債権者が22人ある。対応する債権額は合計実に54億円。

 この22人、54億円は、心和会からすると「反社」に強要された「虚偽の債務」というわけだ。負債(債権者から見れば債権)が否認されるかどうかは最終的には裁判所の判断によるため、心和会の負債総額はひとまず186億円というのが正しそうだ。

● 「その筋」か否かで座席を分けるなど 緊張感のある債権者説明会

 もちろん、虚偽の債務といわれた債権者が黙って納得するわけもない。4月10日に「千葉市民会館」で開催された債権者説明会は決して穏やかなものではなかった。

 参加者によれば、当日の出席者は約50人。入り口では誰何された上で手荷物検査があり、座る席も普通の債権者とその筋の債権者で分けられ、壇上から一目でわかるようになっていたという。事情通は「私服警官5人が周辺に待機していた」と筆者に明かした。ここまでピリピリした債権者説明会はめったにあるものではない。

 なお、心和会側はダイヤモンド編集部の取材に対し「出席者の安全確保の観点から当局の指導を仰ぎ、手荷物検査を実施し、警備会社による警備を実施いたしました。安全上の理由から具体的な人数は回答いたしかねますが、有事に備え警察当局職員にも来場いただきました」と回答した。

 再生手続きの申立代理人は高橋修平法律事務所の高橋修平弁護士(高は、はしごだか。以下、同)を筆頭に合計10人の弁護士で構成され、民事介入暴力対策(いわゆる「民暴」)の専門家である園部洋士弁護士(至高法律事務所)も代理人に加わった。当日は高橋弁護士が進行役を務めた。

 高橋弁護士の説明でまず興味深かったのが、不当な介入でいくらの資金が社外に流出したのかという点。2022年3月期末の心和会のバランスシートではすでに「長期滞留債権」として23億6100万円が計上されている。これが不正に流出した資金を指しているとみられるが、この時点では純資産はまだ43億9900万円あり、差し引き20億円余りの「資産超過」となる計算だ。

 ところが、22年4月以降の約1年間に追加で40億円弱の資金が第三者に流出したのだという。純資産は全て食いつぶされ、「債務超過」となり、当然資金繰りも行き詰まった。つまり、社外流出した資金はトータルで60億円規模になるとみられる。これは筆者が別ルートの事情通から聞いている金額ともおおむね一致する。

 また、申し立て後の資金繰りについては「税金や社保の債権者のご理解が得られれば、十分やっていける」(高橋弁護士)見通しであることも明らかにされた。滞納額が大きいだけに税金と社保が強制執行する事態はなんとしても避ける必要がある。

 この点について心和会側は取材に対し「事業資金に対する滞納処分がされるとかえって公租公課債権者への弁済額が少なくなるため、滞納処分をお控えいただくよう、(中略)別途お願いをしております。再生手続開始後に納期限を迎える公租公課のお支払いは確実に実施し、また、随時、再生手続に関する詳細な状況報告をすることで、公租公課債権者各位には一定のご理解を頂けるものと存じます」と回答した。

 再生計画の策定に当たっては信用補完のためにもスポンサーへの事業譲渡が必須で、すでに同業他社やファンドから問合せが多数きているとのこと。赤字部門を切り離せば、収益基盤はしっかりしており、相応の事業譲渡対価が期待できる。

 さらに申立代理人からは不当な介入を招いた原因の解明もしっかり行い、前理事長の経営責任を含めた責任の所在を明確化した上で、債権者への説明責任を果たす覚悟も示された。不当な介入をしてきた第三者に資金の返還を求めるのはもちろん、刑事事件になり得るケースもかなり見受けられるので、代理人として当然そうした動きもするとのことである。

● 債権者からの質問で注目された ある債権者の代理人弁護士の発言

 ここまでで約30分が経過し、債権者からの質問タイムに移行した。全部で10人が質問に立ったうち、6人が銀行やリース会社、一般の取引先だった。問題は残りの4人だが、特に時間があと5分となった段階で質問に立った、ある債権者の代理人弁護士(元検事)F氏の発言がポイントだった。

 「破綻原因を正確に把握することが肝心と考える。配布資料には『反社会的勢力による不当な介入、度重なる恐喝を受け続け、抗拒不能の状態に陥った』とあるが、代理人弁護士は実際にそのようなことがあったと確認しているのか?わたしは、むしろ前理事長がいろんなところで、いろんなウソを言ってだまして、あちこちでおカネを借りまくった結果、こういうことになったのではないかと危惧している」

 「恐喝を受け続けたというのが仮にX氏(会場では実名)のことを指すとすれば、恐喝は事実ではない。X氏は前理事長あるいは心和会に対して巨額の貸し付けをしており、その返済の一部について前理事長は恐喝を受けたと告訴状を出し、被害を受けたとあちこちで吹聴していた。その結果、2月9日にX氏は(恐喝容疑で)逮捕された」

 「しかし、X氏は3月1日に釈放され、すでに不起訴処分となっている。これはどういうことか。捜査機関が、恐喝でカネを振り込ませたのではなく、返済の一部であると確認したということ。また、前理事長が言っていたことが全てウソであったと認識したということだ。資金流出の原因究明に際し、『反社会的勢力による恐喝』ということを前提とするのではなく、前理事長自身に問題があったのではないか。またその巨額のおカネをどこに使ったのか。こちらではすでに一部を把握している。前理事長への経営責任の追及を真摯にやってもらいたい」

 実はF弁護士はX氏の刑事事件の弁護人でもある。X氏が荒井宗房氏への恐喝容疑で警視庁に逮捕された一件は報道されたこともあり、金融機関などの債権者は、心和会が恐喝を受けていた「証拠」として心和会側から説明を受けてきた経緯がある。

 ところが、X氏については3月22日、東京地検立川支部による不起訴処分が確定した。どうやらF弁護士の発言があるまで、債権者は不起訴になったことを知らされていなかったようだ。

 F弁護士の発言を受けて、高橋弁護士は「度重なる恐喝を受けたというのは、荒井宗房氏の話だけから判断したわけではなく、総合的に判断して申し立て段階ではあの程度は記載できると考えた。しかしながら、先生にご意見をいただいたように、実際どうだったのかということについてはきちっと調査をすべきと考えている。そのための専門の先生にも入っていただき、民事、刑事の事案解明と責任追及をしていきたいと思っている」と釈明した。

 心和会側に改めてX氏の不起訴処分とF弁護士の発言について尋ねたところ「F弁護士(回答では実名)は、X氏(同)など当法人と利害が対立する方々の代理人弁護士とのお立場からのご発言と理解しております」との回答だった。

 ちなみにX氏とその関連法人の主張する債権額は、負債132億円に含まれていないのはもとより、否認債権54億円にも含まれていない。つまり、心和会の負債総額は債権届出ベースでは200億円を超える可能性がありそうだ。

● 前理事長に関する 複数の「疑惑」

 さて、実際のところ荒井宗房氏は恐喝の被害者なのか、ウソつきなのか。F弁護士がX氏の逮捕後に検察に提出した「上申書」には次の記載がある。

 「荒井は、一見エリート医師(筆者注:東大医学部卒)で、医療法人の理事長という肩書きから信用できそうに思われるが、後に判明したところによれば、暴力団××会(原文は実名、以下同)の関係者と昵懇の関係にあり、金銭的にも放蕩三昧を繰り返すに至っていた者であって、信用のおけない人物である(銀座の高級クラブにおいてそのような暴力団関係者と豪遊している映像等も存在する)」

 荒井宗房氏と暴力団が昵懇の関係なのかは不明だが(心和会側は「そのような事実は一切ないと理解しております」などと回答)、民事訴訟の記録によれば、荒井氏は自ら「心和会は(中略)資金繰りに窮したため、令和3年11月末に○○から、同年12月初旬に▲▲から金を借りることになりました。○○は、茨城県水戸市の暴力団と関わりの深い男です。▲▲は、全身刺青を入れており、私の元を訪れるときはいつも露出の多い服を着て、刺青を見せつけてくるような男です」などと陳述している。つまり、その筋の人物に文字通り「借り」を作ってしまったのだ。

 人は見かけによらないのかもしれない。SNSなどには荒井宗房氏が六本木のクラブのホステスと海外旅行の際に一緒に撮ったとされる写真が流出しているほか、借りたばかりの札束を車内に持ち込んでいるとされる写真なども入手した。これらを見る限り、確かに「抗拒不能状態」にあったとまでいえるのかは疑問の余地がある。

 ほかにも疑惑はある。心和会の出資口(株式会社でいう株式)は全部で2884口あり、このうち540口を荒井宗房氏が保有しているが、その出資口を担保に入れたり、譲渡したりしてカネを借りたという契約書が4通も見つかった。

 4通とは以下の通りだ。

 (1)22年4月、都内在住のA氏から2200万円借りる際に540口を代物弁済予約したもの。
(2)翌月、神奈川県在住のB氏から1億1400万円借りる際に540口を代物弁済予約したもの。
(3)同年9月、540口のうち144口を2億円で神奈川県在住のC氏に譲渡するというもの。
(4)同じく9月、都内在住のD氏に6000万円借りる際、540口を代物弁済予約したもの。

 (1)の借入れは返済して、改めて(2)を借りたということであれば、(1)と(2)は出資口の二重譲渡には当たらないかもしれない。しかし(3)と(4)は同じ9月30日の契約。確実に出資口の二重譲渡が行われているとみるべきだろう。

 なお、医療法人の出資口の譲渡にはほかの社員(株式会社の株主に当たる)の同意も必要で、こうした多重譲渡を心和会は組織として把握していた可能性もある。心和会側はこの問題について「不当な手段によりそのような契約書の作成を強要されたものと理解しております。そのことについても然るべき法的措置を講じる所存です」と回答した。

 債権者説明会で高橋弁護士は「経営責任を追及し、債権者に説明責任を果たすことは事業再生のイロハのイ」と明言した。大いに期待したい。4月11日、東京地裁は心和会の再生手続き開始を決定した。

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