インターネットは調べものをするのに便利です。
しかし、ネット上の意見というのは、あやしいものが多く、
どうしてこうも質の低い意見が多いのだろうとあきれます。
某サイトのコメント欄を読み、驚愕し、危機感を持ちました。
自分の名前や肩書を出してコメントしている意見であれば、
比較的信頼性は高いと感じますが、匿名のものはひどいです。
ネットの世論調査では、小沢一郎氏が人気だったりします。
自分の意見を持つことは大切ですが、ろくに根拠もなく、
他者をボロクソに批判する人が、匿名のネット上では多いです。
不思議と右と左の両極端の意見が多いような気がします。
その間の中庸な意見より、両極が目立っている印象です。
匿名だから、失礼な言い方やいい加減なことが言えるのでしょう。
すぐに「サヨク」とか、「売国」とか、「米国の手先」とか、
貧困なボキャブラリーでレッテルをはる紋切り型の批判が多く、
読むのも時間の無駄というものが多いです。
インターネットで情報が氾濫する時代だからこそ、
信頼できる情報や、情報の分析・解釈が重要です。
オピニオン誌や新聞の重要性は、変わりません。
サイトによっては、すぐれた情報や分析も読むことができ、
外国のサイトで容易に最新情報にアクセスできますが、
編集者が選んだ情報が載っている紙媒体は手放せません。
ジョセフ・ナイ教授が「国際紛争:理論と歴史」という本で、
次のようなことを言っていたのが印象に残っています。
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情報の氾濫は「豊穣のパラドックス」をもたらした。
情報の過剰が関心の希少化をもたらしたのである。
人々は膨大な情報に直面した時、
何に焦点をあてるべきかを見極めることが困難になる。
情報よりも関心が希少資源となり、
背後の雑音から価値ある情報を区別できる者が、
パワーを得る。
編集や進行にかかわる者の需要が増し、
このことはどこに注目すべきかの指示を出せる者にとって
パワーの源泉となっている。
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ネット上で玉石混交の情報があふれている時代だからこそ、
専門書や学術書をしっかり読み込む知的スタミナのある人が、
何が重要で、何が重要でないかを峻別することができて、
世の中をリードしていけるのだと思います。
新聞や書物を読まずに、SNSとツイッターにふけっていたら
ろくな社会人になれないということを「今どきの若者」たちは、
きちんと理解しているのでしょうか。心配です。
最近、私も「今どきの若者はなってない」シンドロームに、
だんだん感染してきたのかもしれません。
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引用元http://yamauchi-koichi.cocolog-nifty.com/blog/
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