教育カウンセラーの独り言

今起こっている日本の教育の諸問題と受験競争の低年齢化している実態を見据えます。

ネットに依存しない情報収集。山内康一『蟷螂の斧』

2012年02月17日 16時08分59秒 | 国際・政治

インターネットは調べものをするのに便利です。
しかし、ネット上の意見というのは、あやしいものが多く、
どうしてこうも質の低い意見が多いのだろうとあきれます。
某サイトのコメント欄を読み、驚愕し、危機感を持ちました。

自分の名前や肩書を出してコメントしている意見であれば、
比較的信頼性は高いと感じますが、匿名のものはひどいです。
ネットの世論調査では、小沢一郎氏が人気だったりします。

自分の意見を持つことは大切ですが、ろくに根拠もなく、
他者をボロクソに批判する人が、匿名のネット上では多いです。
不思議と右と左の両極端の意見が多いような気がします。
その間の中庸な意見より、両極が目立っている印象です。
匿名だから、失礼な言い方やいい加減なことが言えるのでしょう。

すぐに「サヨク」とか、「売国」とか、「米国の手先」とか、
貧困なボキャブラリーでレッテルをはる紋切り型の批判が多く、
読むのも時間の無駄というものが多いです。

インターネットで情報が氾濫する時代だからこそ、
信頼できる情報や、情報の分析・解釈が重要です。
オピニオン誌や新聞の重要性は、変わりません。

サイトによっては、すぐれた情報や分析も読むことができ、
外国のサイトで容易に最新情報にアクセスできますが、
編集者が選んだ情報が載っている紙媒体は手放せません。

ジョセフ・ナイ教授が「国際紛争:理論と歴史」という本で、
次のようなことを言っていたのが印象に残っています。

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情報の氾濫は「豊穣のパラドックス」をもたらした。
情報の過剰が関心の希少化をもたらしたのである。

人々は膨大な情報に直面した時、
何に焦点をあてるべきかを見極めることが困難になる。

情報よりも関心が希少資源となり、
背後の雑音から価値ある情報を区別できる者が、
パワーを得る。

編集や進行にかかわる者の需要が増し、
このことはどこに注目すべきかの指示を出せる者にとって
パワーの源泉となっている。
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ネット上で玉石混交の情報があふれている時代だからこそ、
専門書や学術書をしっかり読み込む知的スタミナのある人が、
何が重要で、何が重要でないかを峻別することができて、
世の中をリードしていけるのだと思います。

新聞や書物を読まずに、SNSとツイッターにふけっていたら
ろくな社会人になれないということを「今どきの若者」たちは、
きちんと理解しているのでしょうか。心配です。

最近、私も「今どきの若者はなってない」シンドロームに、
だんだん感染してきたのかもしれません。

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引用元http://yamauchi-koichi.cocolog-nifty.com/blog/

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