教育カウンセラーの独り言

今起こっている日本の教育の諸問題と受験競争の低年齢化している実態を見据えます。

<定時制高校>父の「勉強しろ」守り…81歳、約束の卒業

2015年02月13日 20時01分35秒 | 受験・学校・学問

毎日新聞 2月13日(金)15時1分配信 ◇神戸市立楠高校、卒業予定者で最高齢の生徒

 定時制の神戸市立楠(くすのき)高校(同市兵庫区)で27日、81歳の男子生徒が卒業式を迎える。卒業予定者の中では最高齢だ。終戦直後、家計を助けるため中学2年で働きに出て、阪神大震災では夫婦で営んでいた理容店が全壊。苦労続きの人生を送ってきたが、「勉強しろよ」と言った亡き父との約束を果たそうと喜寿になってから入学した。学びに目覚め、今春から通信制大学で学ぶ。
 4年の中須賀信喜(のぶき)さん=神戸市中央区=は、高知県の地主農家の長男として生まれた。父親から「学校には行かなあかん。勉強しろよ」と言われ、旧制中学を目指した。1944年に父親が病死すると生活は困窮し、終戦後の農地改革で土地も失った。中学2年で学校をやめて大阪に出て、炭販売店や衣料品店に勤めた。
 「手に職を」と理容師の道を選び57年、神戸市中央区に夫婦で椅子3台の理容店を開いた。95年の震災で店は全壊したが、常連客に励まされ2カ月後に再建した。
 父との約束が忘れられず2009年に店を閉め、学び直す決意をした。夜間中学で未習だった3年生の1年間だけ学び、物足りなさを感じて11年、77歳で楠高に入学した。

 <熟年も学び舎(や)来れば若き日に思い出されて今日も急ぐ道>

 中須賀さんが国語の授業で詠んだ短歌だ。「未知の世界を知ることがうれしい」。毎朝、新聞を隅々まで読み込む。パソコンも使えるようになった。ただ、英語や数学は苦労した。書店で6時間かけて求める参考書を見つけた時は「1冊の本が語り掛けてくれているようだった」。
 始業の1時間前に登校して予習し、帰り道に「今日は頑張ったか」と自問自答する日々を送った。
 <夜学終え急ぐ家路も遠くなる反省ばかりの足取り重く>
 孫のような世代の同級生は中須賀さんを、親しみを込めて「おっちゃん」と呼ぶ。
 「おっちゃん、あのな」。10代後半の男子同級生が、両親が離婚したと相談に来た。成績優秀で「絶対大学に行けよ」と励ましていたが、一緒に暮らす母親を支えるために働くという。昔の自分と重なり、涙があふれた。「一緒に卒業しような」と肩をたたいた。
 中須賀さんは4月、東京の私立大経済学部の通信制に入学する予定だ。「父との約束を果たすと、もっと学びたいという思いが湧いてきた。『生涯成長』がモットー」と新たな夢を膨らませる<定時制私のこころは若いまま傘寿過ぎても>
 高校生活最後に詠んだ短歌だ。【桜井由紀治】

学ぶということに遅過ぎることはなく、学問に年齢はないと思います。これからパソコンも駆使して私立大経済学部の通信制を卒業するまで健康に注意されて頑張ってください。人間は今の時代一生勉強しないと頭が時代遅れになると思います。日本憲法の教育を受ける権利と教育基本法の「教育の機会均等」の精神は、向学心の有る高齢者にも学びやが解放されるべきだと思います。

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