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人間関係づくり・人間力育成の授業

いじめ・不登校のメカニズム その3 不登校をどう見立てるか

2014-04-04 09:17:15 | コラム

いじめ・不登校のメカニズム その2よりつづく
http://blog.goo.ne.jp/t-fukami/e/d07bbc33415c5ac3888c8cb05f867646

Facebookに書いているものをまとめています。
https://www.facebook.com/profile.php?id=100005260954587

(個に応じた支援を)
学校教育、特に義務教育においては、子どもたちが置かれている状況に応じて支援するということが当たり前です。特別支援が必要な子どもには、それに応じた支援、海外から渡日してきた子どもにも、それに応じた支援が必要であることは言うまでもありません。しかし、なかなかそれが充分に実行されていない現実があります。特に、不登校(年間30日以上欠席)の子どもについては、困難を極めています。わたしは6年間、ある中学校の不登校生等への支援コーディネーションをしていますが、その経験から言いますと、「不登校」を含む長欠生のことをどう見るのか、ここにもっとも困難な課題があるのです。
多くの教員が、不登校気味、あるいは不登校の子どものことを「自分勝手だ」「思い込みが強い」などと見立てます。それはそれで、現実として的を射ている場合が多いのですが、問題は、その後なのです。例えば、「自分勝手だからトラブルを起こす。」「思い込みが強いから、被害者意識をもつ。」→「だから自業自得だ。」となってしまうのです。
これでは、不登校の子どもたちを支援することはできません、ね。

(特別扱いをしない・・とは?)
さて、前回の記事のつづきなのですが、「自分勝手」とアセスメントすることと、同じようにわたしが感じていることがあります。それは、若い先生によくあるケースなのですが、「わたしは、分け隔てなく接しているので、特別扱いはしません。」と宣言する姿です。この言葉には、わたしはかなり違和感を感じます。「分け隔てなく接して・・」というあり様は、子どもが感じて言ってくれる言葉であって、先生自身が発する言葉ではないと思うのですね。「わたしは、わたしのやり方でやっているので、特別なことはしません。」と表現しているように聞こえるのです。固定観念に侵され、成長が止まっている姿を感じてしまいます。このあり様は、不登校生支援にとって大きな妨げとなります。なぜなら、不登校傾向をもつ子どもは、なんらかの要因(原因=「きっかけ」ではありません)により、こころの成長が逆戻りしたり、止まったり、極端に遅くなったりしてるのです。「特別な(個別の)」その子にあった支援が必要とされます。

(病欠への疑問)
年間30日以上の欠席がある場合、いわいる長欠ということになるのですが、子どもを見立てることにより、1)不登校、2)病欠、3)その他(家庭事情等)、というふうに分類していきます。全国的に見ると13万9千人という数字を頂点にして以来、一昨年12万人を切るまで、不登校生は12万人台下回ることはありませんでした。子どもの減少を考えると不登校生自体は、この20年間で増加し続け、今では高止まりの状態であると言えます。しかし、子どもの見立てという観点で見ると、「病欠」という数字は非常に怪しい数字であると言えます。人間は心的な外傷を受けると、ストレス反応として、心や身体や行動に表れます。アンケートの結果から見れば、「悩み」と「ストレス反応」の数値には強い相関性が表れます。つまり、学校に行こうとしているときに起こる「腹痛」や「高熱」などは、ほぼストレス反応なのですね。これを病欠というふうに見立てると、子どもたちに的確な支援が行き届かなくなるのです。ですので、怪我や入院等、はっきりとした事実がない限りは、不登校としての支援が必要であると言えます。現在では、精神科や心療内科等の医療機関に受診している子どもたちも少なくなく、何らかの診断が下って長期欠席した場合も病欠ということになるので、こういう子どもたちにも不登校としての支援が必要です。その他(家庭事情等)で長欠生になっている子どもたちにも、不登校生としての支援が必要であることは言うまでもありません。一概に、不登校という数値あるいは出現率が減ったからといって安心することはできないのです。

(不登校の要因と原因)
なぜ、10万人を超える子どもたちが不登校になってしまうか・・ということなのですが、これについては、要因と原因とがあります。要因とは不登校になってしまう様々な要素のことです。原因とは、不登校になってしまった直接的な出来事です。つまり、原因とは「引き金」と捉えてください。不登校の場合、引き金となった原因を解決することは当然なのですが、その引き金になった事象を取り除いたとしても、不登校におちいってしまうケースが多々あるのです。子どもを取り巻く様々な要素に対して支援を入れない限り、原因(引き金)となってしまう事象は、いずれ何らかの形で起こってしまいます。
仮に、学校が落ち着いているとするなら(ざっくりとした仮定で申し訳ないですが)、子どもたちが不登校になってしまう要因は、かなり高い確率で保護者の「ネグレクト(育児・養育放棄)*虐待を含む」か「過干渉」です。ネグレクトや過干渉は、子どもの基本的なこころの成長を大きく妨げます。この「成長できなかったこころ」が、まわりとのトラブルを引き起こしたり、まわりに対する過剰な恐怖感となってあらわれてしまいます。小学校から中学校にあがってまもなく、「幼児帰り」をしてしまい学校に来られなくなるケースは、まさに、このことが要因なのです。子どもへの支援だけでなく保護者への支援が重要であることがわかるのではないでしょうか。

(学校が落ち着いてなければ・・)
さて、昨日は「学校が落ち着いていたら」というふうに仮定をしましたが、これが「学校が落ち着いていなかったら(荒れていたら・学級崩壊を起こしていたら)」と仮定すると様相がかなり違ってきます。
こうなると、子どもどおしの関係性にルールが失われていますし、「強い者が勝つ」という弱肉強食の論理がまかり通ってしまうのです。暴力を含む「いじめ」が蔓延し、昨日述べた関係性に難しさをかかえた子どもはもちろんですが、対等平等なリベラルな感覚をもった子どもたちが標的にされたり、非常に居づらい状態になってしまいます。わたしや娘の例がそれにあたるのですね。いくらリベラルな感覚をもった子どもでも、子どもは子どもですから、納得のいく関係性を構築できなかった場合、「学校へ行かない」という選択肢を選ばざるをえない状態になってしまうことがあります。この状態は、様々な子どもたちが危険な状態に置かれているシグナルでもあります。早急な、大人の強力な介入が必要な状態であると言えるでしょう。
不登校のあらわれも、様々になってきます。保護者が要支援である子どもたちはもちろんのこと、リベラルな感覚をもった子ども、さらに、攻撃的な要素をもった「あそび・非行型」の不登校もあらわれてきます。地域の実態にもよりますが、学校の不登校率が5%を超えてくるような状況では、「あそび・非行型」の不登校の子どもたちが多く含まれている状態になっているはずです。

(発達障害は?)
発達障害をもつ子どもの場合、二次被害としての「いじめ」、三次被害として「不登校」とわたしは捉えています。発達障害をもつ子どもの不登校を三次被害として位置づけるということについては議論が起こるところだとは思いますが、わたしは、そう位置づけています。それは、不登校に至るプロセスが、いじめや「無理解のまなざし」が「引き金」になっているケースが多いからです。そもそも、発達障害という概念がこの国で確立してきたのが1990年代中盤以降です。脳科学の発展によるホルモンなどの神経伝達に関わる物質への知見が確立することにより、ADHD(注意欠陥・多動性障害)が解明され、fMRI(磁気共鳴機能画像法)やPET(ポジトロン断層法)等が開発され、脳の血流と働きがイメージングされたことで広汎性発達障害が解明されつつあります。「昔(20~30年前)は、発達障害って聞かなかったなぁ」などと言われることが多いですが、解明されていなかった概念だったので当然のことなのです。この分野においてはアメリカに20年遅れている、と言われているほどのことなのです。この国では、無理解が偏見につながっていると言わざるをえない現実があります。文科省の2002年調査によれば、子どもの約6%で発達障害が疑われると言われていますが、これは、素人の現場の教員によりチェック項目に従ってカウントされた率なのですね。
社会の理解は進んできたとはいえ、現実は厳しいものがあります。

(不登校はなぜ増えた?)
わたしが教員になったのは1979年なのですが、何年間かは不登校の出現率は非常に低かったように思います。現に、初任10年目くらいまでは、学校に来づらいということでの家庭訪問の記憶は1名のみでした。実際、出席簿は真っ白なのがあたりまえで、「学校には行くものだ」ということが、学校にも社会にも存在していたと思います。しかし、1990年を超えると、そんな常識も怪しくなってきました。しかも、1995年を過ぎると、各クラスに1名は不登校の子どもをかかえるようになり、ほぼすべての担任が不登校と向き合うということが、学級運営の課題となってきたのだと思います。「学校には来るものだ」という固定観念にとらわれていた学校現場は、不登校の子どもたちをきちんと見立てることができず、多くの子どもたちの学習権が奪われていったのです。不登校は、「子どもの責任」「担任の責任」という考えが充満していたと言えるでしょう。
不登校を見立てる時に、時代の変化に注目しなければいけません。成長社会を生きてきた人たちと成熟社会を生きている今の子どもを同一視するわけにはいきません。今の社会は、ある時点で大きく変化をしているのです。わたしは、その年を1995年と断定しています。大きな要素は二つです。まず、インフレがデフレへと変化をしました。つまり、「生活苦」が始まったのです。さらに、Win95や携帯電話の普及によって「高度情報化社会」へと移行しました。生活苦による家族破壊、高度情報化による孤族化の二つが決定的にコミュニケーション環境を変えたと言えます。さらに、外国の方の増加によるグローバル化、少子高齢化の顕著化というものが1990年代中盤に一気に来たのです。まさに、それまでの社会を支えていた「常識」というものが通用しなくなりました。社会の枠組みが堅持されていた頃は、「学校へ行くのがあたりまえ」でしたが、個の力が厳しく問われる「自由」になった今の社会では、全世代的な危機に襲われています。そんな中で「学校へ行くのはあたりまえとは言えない」社会に突入しているのです。いわゆる「学力低下」がここに起因することを「ゆとり教育批判」は見逃しています。社会を反映しているものが教育です。教育を反映しているものが社会ではありません。

(今の社会を見立てる)
今の社会がどういう社会なのかを見立てることは、教育にとって非常に重要なことです。この作業を行わないと、今の社会を一歩進める人間を育てることはできません。教育とは本来、そうであるべきものだと思います。今の社会は大きな相反するように見える二つの側面をもっています。高度情報化とグローバル化の進行などにより、一人ひとりが大事にされる社会になりました。SNSなどの発達は、このことを促進しています。今は、誰もが社会に向かって声を上げれる時代になるとともに、誰もがブランドになれる時代なのです。しかし、一方では、個の在り方が厳しく問われる受難の社会であるとも言えます。それが生活苦とこころの空洞化です。このことは、親から子へというこころの貧困を連鎖的に引き起こしてしまいます。不登校へのあらわれはこのことが起因する場合が多いのです。虐待の相談件数が、2012年にはおよそ6万7千件にまで右肩上がりにあがっています。虐待に対する関心が高まったことと、実際に虐待が増加しているという、まさにこの二つの相反する側面が影響しているのだと思います。
つまり、今の社会は、人間の成長の範囲というものが大きく振れているのです。良い意味でも悪い意味でも想定し得ないことが起こる社会なのです。 

その4へつづく
http://blog.goo.ne.jp/t-fukami/e/24b6087262e7345463ec3d691a368281

関連記事)

Q-Uが「いじめ」の解決に役立つ理由
http://blog.goo.ne.jp/t-fukami/e/c35ec3e85c8751cdc4774c1abc1916ea

いじめ・不登校の未然防止(人間関係プログラムの力・・・松江市立第一中学校の実践より) 
http://blog.goo.ne.jp/t-fukami/e/4f5eed075ac20c1a3f6814e0bedbf191

いじめ・不登校のメカニズム その1
http://blog.goo.ne.jp/t-fukami/e/6da9caa6e26de68cc2c7c17462d02e39

いじめ・不登校のメカニズム その2
http://blog.goo.ne.jp/t-fukami/e/d07bbc33415c5ac3888c8cb05f867646

いじめ・不登校のメカニズム その3
http://blog.goo.ne.jp/t-fukami/e/d482a925f1b20333363794db5f475df5

いじめ・不登校のメカニズム その4
http://blog.goo.ne.jp/t-fukami/e/24b6087262e7345463ec3d691a368281

 

あいあいネットワークofHRS http://www.aiainet-hrs.jp

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いじめ・不登校のメカニズム その2 いじめのとらえ方

2014-04-04 09:07:13 | コラム

いじめ・不登校のメカニズム その1よりつづく
http://blog.goo.ne.jp/t-fukami/e/6da9caa6e26de68cc2c7c17462d02e39

(厳罰主義では・・・)
いじめについての研究や提言は多くの「いじめを許さない」人たちの努力で、なされています。わたしも、本格的に取り組みはじめてからは、この成果から学んできました。しかし、その多くは、いじめを固定的なもの、運命的なもの、本能的なものとしてとらえられている場合が多いことに驚かされました。ざっくりした言い方で申し訳ないのですが、そういうふうに捉えると、そこから出てくるものは「厳罰主義」になるのです。「いじめに加担した者を厳重に罰して二度といじめを起こさないようにする。」という考え方です。世間的には多大な支持を得ています。
わたしはこの考えに大いなる違和感を感じてしまいます。多分、これはいじめに関しての「本人の経験値」からくるものではないかと思うのですね。わたしも、娘もいじめを克服していくなかで、自分自身のなかの「いじめる心」に気づき、成長してきたのです。「いじめは許さないけれど、人を許す」ということでしょうか。
いじめ被害者の遺族である小森美登里さんもご著書のなかで同じようなことを書いてくれています。

 

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(スクールカーストという言葉に思うこと)
最近、学校などでの人間関係をあらわすのに「スクールカースト」という言葉を目にします。何冊かの書籍をひもときましたが、とうていわたしには受け容れることのできない概念であると感じました。まず、カーストという言葉自体が今も現存している差別的な身分制を表しているということです。時には「名誉殺人」などという非人間的な事件も起こっているほどなのです。それを学校での人間関係にあてはめることの違和感。さらには、身分制に例えることにより、客観的・主観的に関係性を固定化して見てしまうという過ちに陥ってしまいます。「二度と抜け出せない上下関係」とでもいうのでしょうか。仮に「カースト」が入れかわるというのであれば、あえてこの言葉を使う必要はないのです。「いじめ」と「スクールカースト」は全く別のものなのですが、いじめの本質である「多様な力関係の優位性を利用した攻撃により、いやだと感じる」ということには大いに関係してきます。教育に真摯に取り組む姿勢からは、この言葉は出てきません。一歩譲って、社会学的な観察的見地や、いじめに対しての絶望感から生まれてくるものであるとすれば、多少は理解できますが・・。わたしは、絶対に使うことはないでしょう。

(いじめの四層構造)
森田洋司氏が調査研究を基礎にして1990年代に提唱した「いじめの四層構造」という考え方により、現場におけるいじめに対する理解が進みました。当時、いじめが何であるかすら定かではなかったのです。東京でのSHさんの事件を約20年間追い続けた豊田充氏は、SHさんのケースが見事にこの「四層構造」をあらわしていたことに驚くというほどでした。いじめは、「被害者・加害者・観衆・傍観者」という形であらわれ、傍観者の中から生まれるいじめに対して否定的意識をもつ「仲裁者」が、いじめを止めたり、抑止したりします。従って「仲裁者」をいかに多く育てていくかということが教育における課題であるということなのです。森田洋司氏は後に、この「仲裁者」を育てる教育が「市民性教育(シチズンシップ教育)」であると語っておられます。わたくしは、この論に共感して、さらにいじめへの理解が深まりました。そして、疑問が浮かんだのです。
「仲裁者とはどんな人なのだろう?」
「止めるとはどういうことなのだろう?」

 

 

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(「仲裁者」とは? 「止める」とは? ①)
本日2月14日は、松江市立第一中学校のガイダンスプログラム発表会。今から、朝食を食べて一中さんでスタンバイします。昨日は、鹿嶋真弓先生を迎えて前泊の夜の会。夜の会第2部で鹿嶋先生と少し熱い議論をしました。人間関係づくりの授業のこれからについてです。よかったです。
さて、昨日の話の続きですが、「仲裁者」とはいじめを「止める」人であったとすると、いじめが渦巻く中で、そういう人間が存在するのか?という疑問です。現に、わたしはいじめを止めに入ったことにより、いじめの報復を受けました。わたしは三年生になって克服することができたのですが、不思議とされた人間に対して、「謝ってほしい」とか「仕返しをしてやろう」などという気持ちにはなりませんでした。それは、自分自身、学校生活が楽しくなったし、満足できたからだと思うのです。もし、そうでなければ、復讐心や絶望感のようなものを今でも持っていたかもしれません。卒業間近になり、二年生の時に、あらわにわたしの事を言っていた女子がわたしに、こう言いました。「深美君、明るくなったね。」って。その時、わたしは、「こんなものなのか・・・」と、少しずっこけてしまいました。

 

 

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(「仲裁者」とは? 「止める」とは? ②)
わたしは、いじめを受けた女の子から「深美君、明るくなったね」と言われた時、いじめ体験のことをほじくりかえして、「ごめん」って謝ってほしいとは思いませんでした。なぜなら、楽しかったからです。3年生の学級は、何でも自分たちで決めて、全員で実行してました。教室をきれいにしよう!ってなって土足厳禁にしたら、美術の先生が上履き忘れて教室に入れなかったりとか、校区に隣接している工業地帯のでかい煙突から、突然、夜でも昼間みたいな炎が吹き出したときに、家々をまわって署名を集めて、その経験をもとにして弁論大会で優勝したり、何かあると、教室を借りて、クラス会を開いたりしてました。卒業間際まで、学級全員運動場で「たんてい」や「缶蹴り」をして遊んでいました。とにかくみんなが楽しかったのです。もし、いじめがあったら、誰かが止めていたでしょうし、先生に相談していたと思います。2年生と3年生の学級では、天と地ほどの違いがありました。いじめなんかありませんでした。
そんな学級は自分たちの学級だけだったのです。
一昨日の研究発表会の講師である鹿嶋真弓先生は、こうおっしゃっていました。

「人と人とがつながっている学級には、いじめが入り込む隙間がない。」と。

(「仲裁者」とは? 「止める」とは? ③)
さて、話をもとにもどします。「仲裁者」とはどんな人か、いじめを「止める」とはどうすることか、です。関係性が閉ざされている集団の中では「仲裁者」は強い個でないと不可能なのですが、一人ひとりがつながっている関係性が保証された集団の中では、多くの人間が「仲裁者」になることができるということなのです。そして、「止める」とは、一時的な現象面を終息させるだけではなく、いじめ加害者に対して復讐心を抱いたり、いじめに対する絶望感を感じない人間力を、だれもが持つことができる状態にすることであると言えます。もちろん、いじめ解決の課程において加害者が反省し、被害者に「謝る」ということは必要ではあるのですが、決してそこが着地点ではありません。むしろ、対等平等な関係性を構築していくスタート地点であるということなのです。いじめの局面においては、教師自らが「いじめを止める仲裁者」を担うことが当たり前なのですが、教師という仕事は、いじめが起こりえない関係性の構築への支援と、子どもたちがこれから遭遇するであろう困難を克服し、将来への夢を実現することができる人間力というものを身につけていくための支援をしなければならないのです。結局は、教師自体がそういう人であり、それができる人に成長しなければならないということでしょう。

その3へつづく
http://blog.goo.ne.jp/t-fukami/e/d482a925f1b20333363794db5f475df5

Facebook:深美隆司 https://www.facebook.com/profile.php?id=100005260954587 
に書いた記事をまとめています。

関連記事)

 

Q-Uが「いじめ」の解決に役立つ理由
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いじめ・不登校の未然防止(人間関係プログラムの力・・・松江市立第一中学校の実践より) 
http://blog.goo.ne.jp/t-fukami/e/4f5eed075ac20c1a3f6814e0bedbf191

いじめ・不登校のメカニズム その1
http://blog.goo.ne.jp/t-fukami/e/6da9caa6e26de68cc2c7c17462d02e39

いじめ・不登校のメカニズム その2
http://blog.goo.ne.jp/t-fukami/e/d07bbc33415c5ac3888c8cb05f867646

いじめ・不登校のメカニズム その3
http://blog.goo.ne.jp/t-fukami/e/d482a925f1b20333363794db5f475df5

いじめ・不登校のメカニズム その4
http://blog.goo.ne.jp/t-fukami/e/24b6087262e7345463ec3d691a368281

 

 

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いじめ・不登校のメカニズム その1 はじめに

2014-04-04 08:55:25 | コラム

Facebookに書いているものをまとめています。
https://www.facebook.com/profile.php?id=100005260954587

(相次ぐ「いじめ」による自死)
2007年、文部科学省は学校において起こる「いじめ」を次のように定義しています。「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。」これまでに、多くの子どもたちが「いじめによる自死」でかけがえのない命を失ってきました。わたくしが教員になった1979年以降まで遡ると、4回にわたって大きく社会問題となっています。それぞれの象徴的な事件が下記のものです。

1986年 東京都N区F中学校 SHさん
      http://yabusaka.moo.jp/sousikigokko.htm
1994年 愛知県N市T中学校 OKさん
      http://yabusaka.moo.jp/okouchi.htm
2006年 福岡県C町M中学校 MKさん
      http://yabusaka.moo.jp/miwatyu.htm
2011年 滋賀県大津市の事件〔2012年に社会問題化〕
        (引用したサイトhttp://yabusaka.moo.jp/index.htm

わたしの32年間の教員生活をふりかえると、数多くの「いじめ」と判断されるケースに遭遇してきました。そのたびに、被害者・加害者とその周りの子どもたちの話を聴き、自分なりに解決に努力し、その解消をめざしてきたのだと思います。しかし、その当事者にとってみれば、ほんとうにそうだったのか? と問いかけていくと、100%の自信はありません。心の傷を癒し、次に向かって新たなスタートを切る力を育てることができたのか。人生にとって大きな痛手を受けたのではないか。等々、当事者や保護者の方々への気持ちを、あらわにすることは、ほんとうに難しいものだと感じています。きっと、それは、「いじめによる自死」という氷山の下に隠れた否定することのできない事実だったと思うのです。
わたしは、このことを胸にしっかりと刻み、今の仕事を続けたいと思っています。わたしの原点はここにあると・・・。

(わたしの体験から)
わたしは、中学2年生のとき、ほぼ半年間にわたっていじめを受けた経験があります。きっかけは、あるひとりの級友が数人の男子により殴る蹴るの暴行を受けていたことを目の当たりにしたとき、反射的に「やめとけ!」と止めに入ったことでした。次の日から、クラスのほぼ全員から「無視」され、「きしょ(気持ち悪い)」と陰口をたたかれました。気づいているはずの担任の先生は、何もしてくれませんでした。この経験により、わたしは教師になることを決意しました。今だからわかるのですが、当時のT市立T中学校は、まさに「荒れて」いたのです。
学校が落ち着いていないと、子ども達は様々な不利益を被ることになります。授業はもちろん日々の生活にいたるまで、常に「身構え」「防御して」「反撃する」体勢を整えておかねばなりません。まるで、戦いの場にいるような感覚だったでしょうか。このT中学校で、わたしが卒業して数年後、いじめによる自死が起こりました。作家である金賛汀氏がこのことを「遺書のない自殺」という書籍でレポートしてくれています。

 

遺書のない自殺―「いじめられっ子」の死・高石中学事件 (1981年)
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発売日:1981-01

事件のあらましhttp://yabusaka.moo.jp/takaishi.htm

わたしの娘は、地元の公立高校に進学したのですが、入学してまもなくいじめにあうようになりました。きっかけは、すでにいじめのターゲットになっていたひとりの生徒に対して、「ふつうに声をかけてしゃべっていた」ということだったのです。娘曰く「そういうのがイヤだったから・・。」わたしは、「なんで、自分と同じことを・・」と嘆くとともに、そんな娘に誇りさえ感じました。しかし、事はそんなことで収まりません。娘へのいじめがエスカレートしていったのです。自分なりに向き合ってきましたが、2年生の5月、ついに彼女がギブアップしてしまったのです。ストレスは身体と心を蝕み限界に近い状態でした。わたしは、娘の話を聴き、転校を勧めました。八洲学園の沖縄校でした。わたしは、鳳商業(八洲学園の前身)当時からの知り合いだった宮長校長先生(当時)に娘のことを託しました。今では、娘は転校して良かったと言ってくれます。多様な個性をもった子どもたちとの出会いが彼女を成長させてくれました。

「よく生きていてくれた。」わたしは、心の中で娘に感謝しています。

八洲学園大学国際高等学校 http://study.jp/hs/yashima/index.asp

わたしは、このような経験から1979年に教員になりました。3年前にその教員を退職し、今、学校コーディネーションや教員研修などの仕事をしていますが、「いじめ」を許さない、「いじめ」「不登校」を解消するということを肝に銘じて仕事をしています。しかし、「いじめ」や「不登校」というものは起こってしまえば、少なからず当事者、保護者は傷つくのです。できることなら、そうならないほうがいい。これが「いじめ」「不登校」未然防止の教育なのです。人間としての個性や力を発揮させる教育、もとはといえば教育本来の目的であると言えます。
そのために、「いじめ」「不登校」のメカニズムを解明していくことは、必須のことであるのです。

その2へつづく
http://blog.goo.ne.jp/t-fukami/e/d07bbc33415c5ac3888c8cb05f867646

関連記事)

 

Q-Uが「いじめ」の解決に役立つ理由
http://blog.goo.ne.jp/t-fukami/e/c35ec3e85c8751cdc4774c1abc1916ea

いじめ・不登校の未然防止(人間関係プログラムの力・・・松江市立第一中学校の実践より) 
http://blog.goo.ne.jp/t-fukami/e/4f5eed075ac20c1a3f6814e0bedbf191

いじめ・不登校のメカニズム その1
http://blog.goo.ne.jp/t-fukami/e/6da9caa6e26de68cc2c7c17462d02e39

いじめ・不登校のメカニズム その2
http://blog.goo.ne.jp/t-fukami/e/d07bbc33415c5ac3888c8cb05f867646

いじめ・不登校のメカニズム その3
http://blog.goo.ne.jp/t-fukami/e/d482a925f1b20333363794db5f475df5

いじめ・不登校のメカニズム その4
http://blog.goo.ne.jp/t-fukami/e/24b6087262e7345463ec3d691a368281

 

 

 

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キセキノメイシ

2013-12-29 11:18:28 | コラム

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 和歌山の橋本は昨日の晩から雪、凍結した坂道を恐る恐る車で走って、やっとのことで家にたどり着きました。すると、一ヶ月前に注文をした「キセキノメイシ」が届いていました。ZACCES Consulting Corpolation の鬼頭秀彰さんが始められた社会福祉事業の一環です。売り上げの20%が、名刺を書いてくれた方へわたります。文字から伝わる何とも言えないあったかさ。すてきな仕事を始められましたね。何も貢献できていない私ですが、この名刺、配りまくらせていただきます。きっと、Win&Winの効果を生み出すことでしょう。
一般社団法人からふる(障がい児童自立支援団体)の方々が協力してくださいました。

ZACCES Consulting Corpolation  http://kiseki.co/

一般社団法人からふる http://color-fuls.com/index.html

 

 

 

 

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2013年4月  このページは深美隆司の情報メモ&ブログです

2013-04-30 19:32:16 | コラム

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2013/4/30

【松木正さんの新刊「あるがままの自分を生きていく インディアンの教え

あるがままの自分を生きていく ~インディアンの教え
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2013-02-22あるがままの自分を生きていく ~インディアンの教え

松木正さんは、マザーアースエデュケーション(http://www.mee-cante.com/aboutus/index.html)を主宰されている方です。環境教育や人間力の育成に関わるワークショップを全国展開されているのです。私は、松原第七中学校へ転勤した年に校内研修会で松木さんと出会いました。今から8年前の事ですが、当時の自分は、ワークショップをまともに体験したことがなかったですし、カウンセラーとしても活動されている方から話しをお聴きするということも初めてでしたので、相当な衝撃を受けたことを覚えています。

この本においても松木さんは述べられていますが、doing ではなく being を大切にできること・・・このあり様は、方法論ではなく、人間としての力がなせることなのだということを松木さんのワークショップを通じて、私自身は会得することができました。それまで、考えもしなかった視点でした。松木さんには、現在に至るまで毎年松原第七中学校の研修会を実施していただいています。この本は松木さんご自身の2冊目となる著書なのですが、アメリカでの体験を前作以上に衝撃的に伝えてくださっています。松木さんの活動の原典と、そこから生まれた松木さん独自の理論構築がなされています。私にとって松木さんは師といえるお一人なのです。

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7chubook 子どもが先生が地域とともに元気になる人間関係学科の実践

価格:¥ 2,520(税込)
発売日:2013-04

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2013年3月  このページは深美隆司の情報メモ&ブログです

2013-03-14 23:25:18 | コラム

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2013/3/12

【「いじめから子供を守ろう!ネットワーク」の井澤一明さんとお会いしました

今回の上京は、3月9日に行われた学生さんが運営する「ALL関東教育フェスタ」の「いじめ」の分科会のセミナーの講師ということで、招かれていました。一日のセミナーでしたので、5時間半の時間を確保することができ、たっぷりとファシリテーションに取り組むことができました。参加者の皆さんの気づきや学びが深く、私自身大変勉強になりました。一度、コメントを読んでみて下さい。http://blog.goo.ne.jp/t-fukami/d/20130305

5日間、東京に滞在しましたが、後は、図書文化社の編集部の方と、本の出版の打ち合わせをし、松原第七中学校の書籍が、3月末には完成することになりました。4月からの研修は、この本をもって回ることができるので、「あいあいネットワークofHRS 中学校 年間8時間×3=24時間 厳選プログラム」を拡げていくのに大きな武器になります。さっそく、編集部にお願いをして100部注文しました。この本は、「いじめの4層構造」を提唱された森田洋司先生が監修をしてくださったもので、現場と研究者でつくりました。私も一部執筆していますが、ガイダンスカリキュラムが普及するための一里塚になることを願ってなりません。

今回の上京のメインは、「いじめから子供を守ろう!ネットワーク」の井澤一明さんとお会いしてお話をすることでした。井澤さんの新刊を読んで感じたことですが、いじめから子どもを守ろうとする井澤さんの姿勢に心を打たれたことと、いじめを許さないと頑張っている現場への支援者であると感じたからです。五反田の駅のすぐ近くのマンションの一室を借りて事務所にされていて、玄関にはポスターが貼られてあり、一目で井澤さんの事務所だとわかりました。初対面の私を井澤さんは温かく迎えてくださり、包容力いっぱいのお話で、あっという間に2時間が経ってしまいました。いじめ相談を受けての学校の話をたっぷりとお聴きしましたが、改めて、「がんばらなければ」という気持ちを改めて感じさせていただきました。私の話も、しっかりと聴いてくださり、これからも頑張りましょうと握手をしてお別れをしました。世の中には立派な方がほんとにおられます。自分もまだまだなと感じた瞬間でした。

いじめから子供を守ろう!ネットワークHP

いじめから子供を守ろう!ネットワークブログ

いじめは犯罪!絶対にゆるさない!いじめに悩むこどもたち、お母さんたちへ (SEIRINDO BOOKS)

いじめは犯罪!絶対にゆるさない!いじめに悩むこどもたち、お母さんたちへ (SEIRINDO BOOKS)
価格:¥ 880(税込)
発売日:2012-12-21

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2013年1月  このページは深美隆司の情報メモ&ブログです

2013-01-22 20:25:28 | コラム

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2013/1/22

【映画「渾身」観てきました

松江市教委の古川先生から、「ぜひ」と勧められていた映画「渾身」を今日観てきました。

監督は、あの感動の島根三部作(「白い船」「うん、何?」「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」)を撮った錦織良成監督です。隠岐の古典相撲を題材にした島根の4作目です。全国封切りが1月16日だったのですが、大阪でも封切りの直前にはスポットCMが入ってたりしていて、自分の中では心がかなり高まっていました。

いつも行きつけのTOHOシネマズ泉北では上映していなかったので、少し遠くなりましたが、新日鐵堺があった跡地につくられた巨大なアミューズメントエリア、MOVIX堺まで行ってきました。

隠岐の島々の風景から始まるシーン、因習深い人間関係から飛び出した主人公、英明が「島へ帰る」と口にした瞬間に錦織監督が描きたかったものが、ズシーンと降りてきたような気がします。

映画のなかでは、隠岐の古典相撲のことを解説してくれながら話が進んでいくのですが、出雲の国は、歌舞伎やお酒などの発祥の地と言われているのですけど、相撲もそうだったのかと気づかせてくれました。隠岐の古典相撲は、取り組みは300番、古川先生は実際に今年見に行かれたそうで、実に感動されたとおっしゃっていました。地域の名誉をかけたものであるとともに、五穀豊穣を祈願した神事であること、そして、島の人たちの絆として、独特なルールのもとに行われているのです。

「お父さんは勝ったのよ!」と英明の娘、琴世に語りかけたヒロイン多美子の言葉が、すべてを表しています。二人の力士に、あびせかけられる島の人たちの声援、そして、吹雪のような塩の嵐、二人は土俵上でぶつかり合うのです。誰も、英明が勝つとは思えなかったでしょう。でも、すでに英明は勝っていたのです。

気を失い、病院のベッドで気がついた英明のそばには、琴世と多美子がいました。そこへ、エッサ、エッサとあらわれたのは、ライバル万竜がまたがった***を御輿のように担いできた人たちでした。「双竜、バンザーイ」・・・英明が持ち帰ることができなかった***を。

もう、ここらで、限界、涙が・・・

今回は財前直見さんも加わって、いつものように甲本雅裕さんがいい味出してました。

必見の映画です!!

Konshin 映画「渾身」公式HP

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2012年12月  このページは深美隆司の情報メモ&ブログです

2012-12-31 19:22:32 | コラム

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2012/12/31

【不登校・ひきこもりの専門紙「Fonte」 全国不登校新聞

 12月になって、「あいあいネットワークofHRS」のHPに、新聞のweb版から「いじめ」「不登校」「虐待」「キャリア」という項目で記事をひろい出したリンク集をつくりました。「いじめ」に関する記事は連日複数ひろいあげることができます。いじめに関する関心が高まった結果であるとは思うのですが、連日の報道には少々気持ちが滅入ってしまいます。多くの人たちが声を上げ、様々な考え方や実践が明らかになっていくことで、ひとつの方向性が見えてくることを望んでいます。

 このリンク集は、日々、いじめ・不登校の未然防止の先頭に立って頑張っておられる生徒指導、教育相談、教育委員会の方々に活用していただきたいと思っています。

 それで、不登校の項目で記事を探していた時でした、「Fonte」という聞き慣れない名前の発信元の原稿があったのでクリックしてみると、なんと「不登校・ひきこもり」の専門紙というものでした。理事長は奥地圭子さん、あっそうか、「東京シューレ」なんだ。私がこの世界へ入ったのが2006年でしたが、あの時は文部科学大臣が緊急メッセージを出すほどの大きなうねりがあった時でしたので、Web上でも「東京シューレ」には関心を寄せていたものでした。そんなことを思い出しながら、「Fonte」のWeb上の記事を読んでいたのですが、不登校を経験された方が編集をされているということがわかりました。これだけでも、間違いがないと確信して購読を決め、12月発行の2部を手にしています。細かくは書かないですが、いじめ・不登校の未然防止に関わっておられる教育現場の方々には、必読の紙面です。ぜひ、一度、「Fonte」のHPに立ち寄って下さい。

Fonte

「Fonte」HP

 

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2012年11月PART2  このページは深美隆司の情報メモ&ブログです

2012-11-16 06:51:41 | コラム

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2012/11/19

【阿智村でお会いした三沢さんが新聞に・・・

最近の研修では、スーパー新聞ジグソーを多用しています。破った新聞をもとにもどす新聞ジグソーのすべてのグループのピースを一箇所に集めます。すると、集めただけなのに、エクササイズのクオリティーがびっくりするほどアップするのです。それで、使う新聞にも趣向をと思って、研修で訪れた場所の新聞を購入して集めています。松江では、山陰中央新報です。しかし、その新聞を読むということは、あまりないのですが、たまたま、新聞を広げてみると、何か見たことのあるような顔が・・・。すぐには気づかなかったのですが、先週、阿智村でお会いした三沢さんではないですか。満蒙開拓記念館建設に携わっておられる三沢さんの記事だったのです。ちょっと感動してしまって、三沢さんにお電話をしてしまいました。(満蒙開拓平和記念館HP

Misawa

 

 

 

 

 

 

 

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2012/11/19

【松江市立川津小学校、紫雲丸のへや

Ireihi2 川津小学校の慰霊碑

川津小学校HP(紫雲丸のへやのページがあります)

松江市の先生方とは、松原第七中学校の研究開発の頃からのおつき合いですから、もう3年越しになるのですが、松江市の研修に昨年から私も関わらせてもらっています。松江市立第二中学校のコーディネーションも今回で3回目の研修をむかえます。その松江市立第二中学校の校区に松江市立川津小学校があります。実は、川津小学校は、高知市立南海中学校と同様に1955年の紫雲丸沈没事故の犠牲者を出した学校だったのです。その事実を知ったからには、川津小学校を素通りすることなどできません。市教委の山根先生にお願いをして、川津小学校にある「紫雲丸のへや」を見せていただけないかをお願いしていました。川津小学校の山田校長先生にご快諾をいただき、川津小学校を訪問しました。お話をお聴きしながら、何とも言えない気持ちになりました。命の重たさを50年を越えた今でも、高知、島根のこの地で、犠牲者の遺族の方や関係者の方々が語り続けているという事実に、教育が関わる意味というものを感じました。

 

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2012/11/16

【シェラリゾート白馬の富原さんを訪ねて

Shera シェラリゾート白馬HP

一昨日からの雪で、シェラリゾート白馬の近辺は、雪化粧の状態でした。夕方からの白馬中学校での公開研修会と交流会を終えて、シェラリゾート白馬へ戻ってきたのが夜の9:00頃でした。ロビーで、富原さんがVIPの方々とセミナーについてお話をしているようでしたが、どうやら教育問題を語られていたようで、またまた、富原さんのアクティブさには、驚かされました。

富原さんの打ち合わせもほどなく終わり、平林先生と富原さんと私の3人でワインをごちそうになりながらお話をしました。地元の高校の存続の問題だったり、地域振興のことだったり、楽しい時間を過ごしました。

古民家の湯がオープンをしていまして、湯殿の温泉につかりながら見る白馬連峰に感動したひとときでした。

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2012/11/15

【長野県阿智村、下條村を訪ねて

今回、16日にまた、シェラリゾートホテル白馬を訪れ、富原さんにお会いしたいと思って信州行きを決めました。すると、白馬中学校の平林先生が、ブログを見てくれていて、お話ししましょうと誘っていただいたのです。すると石川教頭先生が、「それじゃ研修も・・・」というわけで、どういうわけか、オフのオーバーホールのつもりが仕事に変わってしまっていたのです。まあ、でも、それは全然いやではありませんし、むしろ喜ばしい事なのでお受けをいたしました。

それで、阿智村(阿智村HP)ですが、中央道を長野に向かって走っていると、岐阜県を越えて長野県にはいる前に長~いトンネルをくぐりますが、今日は飛騨地方-雪、白馬-雪という過酷な天気なのですが、それまで降っていた雪にも似た怪しい雨がトンネルをくぐると、まばゆいような晴天に変わっていたのです。はっきり言ってびっくりしました。

阿智村の役場のすぐ近くに、「満蒙開拓平和記念館」が来年4月に開館します。それに向けた事業準備会(満蒙開拓平和記念館事業準備会HP)がありますが、今回はそこを訪問して、事務局長の三沢さんと事務局の田中さんにお話を伺いました。長野県は3万人を越える移民団を出した県です。泰阜(やすおか)村という村では、村をあげて帰国の体制をつくり、村出身の残留孤児・婦人の帰国と生活支援に取り組んで来たそうです。そういう地域ですので、このような記念館を設立するという機運が生まれてきたのでしょう。阿智村もこの記念館の事業へのバックアップをしているようです。記念館ができれば、これまで埋もれてきた開拓団の方々の生活史も掘り起こされていくでしょうし、修学旅行や総合的な学習を通じて、子どもたちへの教育課題として光があたっていくでしょう。開館が楽しみです。

下條村ですが、実は今週の月曜日たまたまかかりつけのクリニックに置いてあるスポーツ新聞を読んでいると出生率日本一(2.04人)下條村(全国町村会HP)という記事を見つけたのです。それで、さっそくネットで調べてみると阿智村から車で15分足らずで行ける距離でした。さっそく、村の教育委員会へ電話をしたのですが、どうもコミュニケーションがうまくいきません。それで、まあいいか、と思ってあいあいネットワークofHRSの資料だけでも置いて帰ろうと思って、立ち寄るだけでもと思って訪ねたのです。すると、そこで電話で対応していただいた教育委員会事務局長の中島さんとお話することができました。お話をしていく中で、コミュニケーションがうまくいかなかった理由が判明しました。実は、下條村の教育委員会に教員職の職員が一人もいなかったのです。中島さんも行政職の方でした。下條村では、伊藤村長を先頭にして、自立(律)をめざした村の経営に取り組んでいるのです。(下條村自立〔律〕宣言-下條村HP)中島さんは、忙しくされているにも関わらず、お時間をつくってお話をして下さいました。ほんとうにありがとうございました。このような村であるからこそ、成長のためのカリキュラム(人間関係づくりのプログラム)に取り組んでほしいという願いを込めて、人間関係学科のプログラムCDを置いて帰りました。

Shimojyo

 

若い人たち向けの村営住宅

 

 

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2012年11月 このページは深美隆司の情報メモ&ブログです

2012-11-05 07:54:57 | コラム

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2012/11/2

【高知市立南海中学校で吉岡省次校長先生にお話を聴きました-紫雲丸資料室を訪ねて

Yoshiokakocho

*

1955年は、私が生まれた年なのですが、その年に宇高連絡船、紫雲丸の沈没事故(Wikipedia)が起こりました。その時の子どもの犠牲者108名のなかに、当時の南海中学校の3年生28名が含まれていたのです。また、南海中学校だけではなく、愛媛県庄内小学校、広島県南小学校、島根県川津小学校の子どもたちも犠牲になりました。紫雲丸の事故をきっかけにし、教科書無償の闘いへとつながったと言われています。しかし、吉岡先生からお話をお聴きしたことを通じて、確かに運動への発展はあったのでしょうが、そのことだけでは済ますことのできない問題だと実感しました。まさに、そこに「いのち」の問題があったのだと思います。南海中学校の子どもたちは、ここを原点にしているのです。

吉岡先生の横に展示されている「開設に寄せて」を全文紹介いたします。

・・・・・・・・

紫雲丸遭難事故資料室に寄せて

「省次よ。この南海中学校は、修学旅行中にたくさんの生徒さんが亡くなった悲しい事故があったがよ。・・・」

小学校低学年の頃、私は亡くなった祖父から学校の前を通るたびに聞かされていました。

 紫雲丸の遭難事故から五十六年あまり。

 この事故は、船舶の交通安全と教育面に大きな教訓を残しました。本土と四国を結ぶ夢の架け橋といわれた「瀬戸大橋」早期完成を加速させ、泳げない子をなくすために全国の小中学校にプールが設置されました。さらに、修学旅行の事前学習として救命胴衣の着用や心肺蘇生等の命の教育が積極的に行われるようになりました。

 168名(児童・生徒100名)の尊い命が奪われた紫雲丸事故を私たちは決して風化させてはなりません。

 しかしご証言いただく方の高齢化にともない、受けとめる側の意識も薄れていくことが懸念されます。

 今回そんな現状をふまえ、今を生き、次代を担っていく子どもたちが事故の教訓に学び、自他の命を尊重する精神と生き方を身につけてくれることを願って、「紫雲丸遭難事故学習資料室」を設置いたしました。

 設置にあたりまして犠牲となられた皆さまのご冥福をお祈りするとともに、この事故の尊い教訓から命を大切にする取組が末永く伝承されることを願ってやみません。あわせてこのような事故が再び起こることのないよう、一緒にご祈念いただければ幸いに思います。

 奪われし

  吾子たちの命を

    未来につなげるために・・・

                  2012年3月 高知市南海中学校

                              校長 吉岡省次

Kinenhi

 

 

 

 




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2012/11/1

【高知での定宿、三翠園

Iriguchi 高知へは、年に3回くらいのペースで研修に来させていただいています。この3年でもう10回は越えているでしょうか。はじめは、ビジネスホテルを使っていましたが、慣れてくると、もう少しくつろげる宿はないものかと思って、「じゃらん」のページを探っていたら、三翠園ビジネスプラン一泊朝食付き6800円というのを発見しました。
三翠園は、あの龍馬も泳いだという鏡川河畔にある高知市内ではめずらしい温泉旅館です。グレードでも市内で3 本に入るというところです。
 

Yashiki

入り口すぐ右手には、重要文化財、土佐藩-旧山内家下屋敷長屋が保存されており、中に入って展示物を見ることも可能です。



Yamauchishu

左手には、初代藩主、山内一豊、その妻、千代を祀ったことに由来する山内神社があります。大河ドラマ「功名ヶ辻」が放映されていた頃は、さぞ賑わいを見せていたのでしょう。




Rinsui 山内神社を右手に見て、鏡川沿いを下流に少し歩くと、料理旅館「臨水」があります。2010年に封切られた「君が踊る、夏」(東映HP)で、旅館「こちや」として使われていた旅館です。良い映画です。私は、高知に入る前には必ず観ています。


中心街の帯屋町筋にも歩いて数分ですし、まわりには、多くの史跡があります。明治維新という大きな出来事へのにおいを感じることができる場所です。
 
とにかく、温泉にゆっくりとつかり、広い庭園を見ながらくつろぐことができます。
 
・・・・・・・・・・・・・

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あいあいネットワーク of HRS 

ホームページURL:http://aiainet-hrs.jp/

学校の先生119番URL:http://aiainet-hrs.jp/10sensei119/index.htm 

(mail:info@aiainet-hrs.jp)

(コメント欄のメールアドレスとURLは必須ではありません。)

 

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2012/11/15

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