日蓮正宗理境坊小川只道御尊師監修「知っておきたい 教学上の疑問!?」を本日、読み終わった。
前回の紹介本「折伏入門」に比べ、字も大きく読みやすいが、内容は難しく、日蓮正宗信徒でも教学が身についていないと難儀しそうです。
しかし、次第に中身、内容に魅せられてゆき、最後の「大乗非仏説論の誤り」では、大いに納得させられた。
大乗非仏説論の間違いが、外堀を次第に埋めてゆくように、明快に本書で語られる。小乗教の教え、特に阿含経が現代はクローズアップされ、それに触発されて新興宗教「阿含宗」「オウム真理教(オウムの麻原は、一時期、桐山靖雄の阿含宗で修業したことがある)」等が出現した。
それら邪教が諸問題を起こし、後のオウム真理教事件を起こした。原因の一つが阿含経に影響された、現世否定・現世拒否の姿勢が濃厚にあり、それがあのような大事件へとつながっていった、という、近代の仏教学者達が憶測と思い込みで、大乗非仏説を掲げて阿含経のみを宣揚した結果の責任は重大だ、とする筆者の主張は傾聴に値する。
本書は、発行所、暁鐘編集室。頒価三五〇円+税。
以上。よしなに。wainai