東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の辞任に伴う後任会長選びは、組織委員会の御手洗富士夫名誉会長(元経済連会長)を座長に、男女同数の8名の検討委員会で候補者選びをした結果、昨日2回目の会議で候補者として橋本聖子五輪担当相(56)を選び、今日、同氏の同意を得て理事会で承認する運びになった。
検討委員会は、選考基準として。5つの観点を取りまとめ、(1)五輪、パラリンピック、スポーツに対する深い造詣があること、(2)ジェンダーイコーリティ、ダイバーシティ、インクルージョンなどオリンピック憲章や東京大会の理念を実現し、それを将来にレガシーとしてつなげていくことができる人、(3)国際的な活動経験があり、国際的な知名度や国際感覚があること、(4)東京大会のこれまでの経緯や準備状況について理解していること、(5)組織運営能力や多様な関係者の調和を図る調整力を備えていることを決定した。
この基準に数名の候補者を当てはめた結果、橋本氏が最もふさわしいと判断した形だ。
橋本氏は、冬季はスビートスケート、夏季は自転車競技で延べ7回の五輪に出場し、1992年のアルベールビル冬季五輪500Mで銅メダルを獲得した。
31歳での引退後は議員活動と並行し、10年バンクーバー五輪の日本選手団団長、13~17年にJOC強化本部長などの要職を女性として初めて務めた。2016年のリオデジャネイロオリンピック日本代表選手団団長となるなど選手、役員などで国内外での経験は豊かだ
橋本氏は理事ではないため、同日に行われる評議員会で理事に選任された後、改めて開催する理事会の互選で正式に会長に決まる。
大臣規範で公益法人の役員との兼職が禁じられているため、会長に就任すれば、五輪担当相を退任する。
橋本聖子氏の会長就任で一件落着となったが、今回の人事についても、菅義偉首相が口を挟んだという情報が飛び交っている。
政治的には、橋本氏が森喜朗前会長の流れをくむ細田派所属であり、元々森氏とは昵懇の間柄で、かつ、今回菅氏が介在しているため、森氏と菅氏に操縦されるのではないかという思惑も出ている。
また、フィギュアスケートの高橋大輔選手にキスをしたという醜聞が週刊誌で流されるなど、必ずしも青天白日の身ではないようだ。
人事なので、ある程度の秘密性は止むを得ないが、噂されるように、政権の介入があったとすれは、これは問題だ。「関連:2月14日」