2月17日の午前10時37分に打ち上げ予定だった、JAXAの次世代主力ロケット「H3」の試験1号機が、発射直前に突然打ち上げ中止となった。
当初は、補助ブースター「SRB-3」が点火しなかったためと発表されたが、その後の記者会見に臨んだJAXAの岡田匡史氏(H3プロジェクトチームプロダクトマネージャ)が、ロケットの自動カウントダウンシーケンスは予定通り開始され、メインエンジン「LE-9」が着火し正常に立ち上がったあと、ロケット下部(エンジン上部)に設置された1段制御用機器が異常を検知、SRB-3への着火信号を送らなかったことから、打ち上げ中止となったと説明した。
なお、SRB-3側にも異常はなく、制御用機器が検知した異常そのものについては原因究明中という。
岡田氏は、計画を途中で意図して止めたので失敗ではなく中止だと語り涙ぐんだ。
「H3」の打ち上げは、2月10日から3月10日までに行われることになっており、JAXA側は期限の3月10日までに再度打ち上げることにしている。
今回の「H3」打ち上げは、多くファンが見つめる中で行われたが、中止になったため失望の声とともに、次回打ち上げへ期待が持ち越された。
日本のロケット技術は、はやぶさ2の打ち上げにも使われた大型ロケット「H2A」に見られるとおり成功率が98%と世界レベルだが、1回のコストが100億円に上り、スペースXのファルユー9の65億円に比べ格段に高い。
今回打ち上げる予定の「H3」はコストが50億円と半減し、世界との競争力を高めたものだ。
世界でロケットの発射を行っている国は9カ国だが、アメリカが飛び抜けて多く、中国、ロシア、インドと続き、日本は下位に低迷している。
2月7日、国産民間航空機の量産を手掛けた三菱重工業の連結子会社三菱航空機が、取り組んでいた「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の開発事業から撤退すると発表した。1兆円の巨費を投じ期待された事業だった。
今回のロケット発射は、再度試みられ成功することを期待したいが、他のもの作りを含めて日本が世界に誇った緻密な技術が年々後退しているような感じがして心配だ。
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