正さん日記

世の中思いにつれて

中国、天安門広場の自動車炎上は、反政府自爆テロか

2013-11-03 16:21:01 | 世界

 

 10月28日、中国北京市の中心部・天安門前に小型四輪駆動車が突入し炎上、5人が死亡、多数の負傷者が出た事件で、北京市公安局(警察)は車に乗って死亡した実行犯3人をウイグル族家族と特定するとともに、ウイグル族の共犯5人を拘束したと発表した。

 公安局は炎上後の車内からガソリンや刃物、鉄の棒などの凶器、宗教的なスローガンを記した旗を発見。事件をウイグル独立派による組織的かつ計画的な「テロ」と断定した。

 公安当局は、その目的について、政治の中枢である天安門を標的にした自爆テロにより、11月9日から12日に掛けて行われる予定の第18期中央委員会第3回総会(3中総会)の混乱を謀ったものと捉えている。

 習近平指導部は、迅速な捜査を展開、混乱回避に懸命だ。さらに、この事件を受け、以前に増してウイグル族に対する弾圧を強めている。

 ウイグル自治区では、一部の運動組織が、新疆における民族自治の拡大や人権状況の改善を目指している。一方、東トルキスタンイスラム運動などといった組織が、新疆の中国からの分離独立を主張しており、新疆はチベットと並んで、中国の抱える民族問題のホットスポットの一つになっている。

 その要因の1つは、人口1960万人の内45%がウイグル族だが、最近は漢族が41%にも増え、繁栄の中心は漢族になっていることへの不満や、イスラム教に対する中国政府の無理解への不満が充満しているようだ。また、国外の民族運動組織も、中国政府による人権侵害事案をたびたび取り上げている

 今回の事件についても、中国政府は、政府に対する抗議行動の1つとみているが、一部の報道では、そんな大がかりなものではなく、土地取得に対する行政の差別に抗議したものに過ぎないと報じている。従って、地元では、政府に対する抗議行動の拡大に繋げるよりも、ウイグル族に対する政府の弾圧が強まることにおじ気がついているとのことだ。

 ウイグルやチベット自治区に対する弾圧に対しては、アメリカをはじめ国際社会の批判が続いているが、ただ、今回の事件には、東トルキスタンイスラム運動が絡んでいるとされ、この組織は国連で国際テロ組織に指定されているため、アメリカなどは静観するしか方策がないようだ。

 中国政府は、この事件について国内に広まることを恐れ、報道も都合のよいものしか取り扱わず、NHKが報道したテレビの映像が突如真っ暗にされてしまった。

 中国は、政権内の権力争い、経済格差、民族問題、日中関係など、多くの課題を抱えている。早くも、習近平国家主席の手腕が問われている。(写真:天安門広場で炎上する車)

 

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