4月19日午後、東京都豊島区東池袋4丁目の都道で乗用車が歩行者らを次々とはね、自転車で横断歩道を渡っていた母親(31)と長女(3)が全身を強く打ち死亡した。
後日、夫(32歳)が記者会見、一瞬にして最愛の妻子を失った絶望感と悲しみを語り、悲惨な交通事故の撲滅を訴えた。
大事故を起こしたのが87歳の元官僚男性で、警視庁は、本人が入院したため仁意で事情を聞いているようだが、「アクセルが戻らなくなった」と話しているという。同庁は運転操作を誤った可能性があるとみて、詳しい事故原因を調べている。
また、4月21日には、神戸市中央区のJR三ノ宮駅前で市営バスが暴走、アルバイト男性(23)と私立大学3年の女性(20)の若い2人が死亡した。
市営バスの運転手は、再雇用された64歳の男性で、事故を起こした時には前をよく見ていなく、ブレーキとアクセルを踏み間違え、横断歩道に突入したというから、普通では考えられない状況だ。
池袋の事故では、高齢者の運転について、不適切者の免許証返上問題が再発、大きな議論を呼んでいる。
現在75歳以上の高齢者については、認知症検査などかなり厳しい条件が義務付けられているが、認知症に限らず、運動機能の低下など様々な老化現象によって、潜在的な運転不適切者が存在している。
それを本人がどう認識し、現実を受け入れることができるか。家族などが問題意識を持って、本人をどのように理解、説得させることができるのか、実際問題として難しい要素がある。
神戸のバス運転手の場合は、現在、バスや長距離大型トラックなど、運転手の不足問題、退職運転手の再雇用、高齢化問題という社会、経済現象が横たわっていることを認識せずにはいられない。
4月には、このような悲惨な大事故の他、死亡自動車事故が多発している。また、自動車事故は、高齢運転手だけでなく、若者や女性の無謀運転や、交通マナーの欠如により年齢、性別混在で発生していることも認識しておく必要がある。