正さん日記

世の中思いにつれて

安倍氏への批判、世界に広がる

2013-12-29 15:53:14 | 政治

 安倍晋三首相の靖国神社参拝問題についての批判はどんどん飛び火しているようだ。アメリカのワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムス、ウオールストリート・ジャーナル紙などの有力紙は社説などで痛烈に批判、日米と安全保障協約を進めるオーストラリアの有力紙オーストラリアン紙も社説で、日本の「オウンゴール」と皮肉交じりに自ら招いた外交的失点だと批判した。

 また、安倍首相が頼る東南アジアでも、インドネシアの有力紙コンパスが、尖閣諸島の領有権や、中国がひいた航空識別圏問題で緊張が高まっている中で、いかにもタイミングが悪かったと指摘した。この問題がもっと広がっていくと、今まで地下に眠っていた、先の大戦における日本軍の東南アジア侵攻の悪夢を関係国に呼び起こしさせそうな事態になりかねない。

 今回、アメリカ政府による安倍氏の靖国参拝に対し「失望」したという表現は、同盟国に対しては、最大級の批判的な言葉のようだ。アメリカは、「遺憾」や「懸念」という表現を用いることも考えたようだが、それが「失望」にアップさせたことは、安倍首相に対しては「警告」に等しいものと思われている。

 つまり、アメリカは安倍氏を先の大戦における日本の責任について、なし崩すに否定しようとしているのではないかと疑いを深めたようだ。この見方が段々世界に広がり定着してくると、安倍氏は、日本の戦争責任を否定する指導者と決めつけられ、世界で孤立する立場に追い込まれそうだ。

 そうなると、安倍首相がさかんに唱えている「積極的平和主義」などは一笑に付され、彼の願望である集団的自衛権行使や、自衛隊の国防軍化、強いては憲法改定を進めることが、その環境つくりの面で困難になってくる可能性がある。

 そんな観点からも、今度の安倍首相の靖国参拝については、中国、韓国は表面的には怒っているようだが、内心では、安倍首相や日本の立場を弱めることができたものと、しめしめとほくそ笑んでいるに違いない。オーストラリア紙が「オウンゴール」と表現したのも、そんなことからだろう。

 安倍首相の靖国参拝については、菅義偉官房長官などの取り巻きが止めるように直言したが、安倍氏は聞く耳を持たなかったようだ。そこに、衆参両院で多数を握り、そのトップに立っている安倍首相の驕りと無能を感じる。

 多分、安倍氏は、諌める忠臣の進言よりも、勇ましく、いけいけどんどんの好きな右派バネにけしかけられ、自身の思いを優先したのだろう。古今東西、忠臣の直言を無視し、暴走した指導者には未来はない。

 問題は、これだけ国内外から批判されても、それを反省しないで、あくまで独断を正当化し、このまま突っ走ることだ。もし、その道を取れば、安倍首相の哀れな末路が、案外早い内に見えてくるかも知れない。「関連:12月28日

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