参議院選挙が終わり、憲法改正批判勢力にとっては、一先ず改憲の発議に必要な三分の二の維持を阻止して一安心しているところだろう。
ところが、一人改憲に執念を燃やす安倍晋三首相は、今回の選挙で「憲法論議を深めるべきだ」という有権者の支持を得たと驚くべき発言をした。
多分、憲法改正を訴えた自民・公明与党が、改選議席の過半数を得たので、有権者からお墨付きを得たと言いたいのだろう。
しかし、選挙前の争点の1つとして、憲法改正勢力が三分の二を得るか否かが今後の憲法論議の方向性を示す指標と言われていた。
従って、三分の二を取れなかったのだから、改憲派は一歩止まって次の対策を講じることが当然だと、誰でも思っていたのに、安倍首相の「憲法論議を深めるべき」と支持を得たという見解は乱暴にも程かある。
しかも、勝利したとは言え、自民党が10議席減らしたことが三分の二を割り込んだ要因なのにも関わらず、「憲法論議を進めろ」と民意を得たとは驚くべき事実の歪曲だ。
これに対して、立憲民主党の長妻昭代表代行は、これでは、安倍首相自ら憲法論議に「壁を高くしている」と批判した。
安倍首相は、改憲派がいると言われる国民民主党を念頭に秋波を送ったと見られるが、国民民主党の玉木雄一郎代表は、「今の自民党案では論議できない」と述べただけで、安倍首相の見解や方針に対し、直接批判しなかった。
玉木代表の話を聴くと、どうやら憲法審議会の議論に加わりそうな雰囲気も見られ、野党分断の火種になりそうな危うさが感じられる。「関連:7月22日」
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