「香港国家安全維持法」が施行された昨日、香港繁華街では大掛かりな抗議デモ行動が行われたが、370人が香港警察に逮捕された。
その内、10名が「香港独立」を訴えたという理由で、施行されたばかりの「国家安全維持法」が適用され厳しく罰せられる恐れがある。
場合によっては、中国本土に送られることも考えられ、今後、中国本土の裁判に掛けられ新法により処分されることが危惧される。
しかし、厳しい罰則が科せられる可能性がある「香港国家安全維持法」抗議のデモは、相当な勇気と香港の民主化の思いが強くなければできない行動で称賛されるが、反面、有力な民主化運動指導者が法に照らしてどんどん罰せられ、息の根を止められることは防がなければならない。
中国の香港対応については、アメリカ、イギリスをはじめ、日本を含めて世界で37カ国が抗議の意思を示している。
それがどれだけのインパクトになるのかは余り期待できない面もあるが、少なくとも香港に対し、中国が本土並みの非民主的な行為にブレーキを掛けることになるかも知れない。
ただ、「香港国家安全維持法」は、香港市民が外国勢力と歩調を合わす行為に対しては、厳罰を科すという内容になっているので、香港民主勢力の活動はこの点でも難しくはなっている。
香港の民主化の最大の目的は、香港政府の自主性であり、そのためには公正な選挙の実施である。しかし、中国本部は、立候補資格を規制して民主化勢力が立候補し難い形に変えてしまった。
しかし、このままでは香港の「一国二制度」は、名実ともに変容し、「一国一制度」になって中国本土と一体化になる。
香港の事態については、中国が「領土」と主張している台湾が大きな関心を持っている。中国本部も台湾の存在を無視しての香港政策は一呼吸置くだろう。
また、国際流通、金融都市の香港には、世界の自由主義国家などから、多くの企業や人が集まっている。
中国自体も、経済的にも国際交流の立場からも香港の中立性をまったく無視することはできないと思う。
これらの点から、香港の民主勢力については、今後、出番がやってくることも考えられるので、敢えて「香港国家安全維持法」に逆らい中国本土の手中に陥ることなく、来るべき日のために勢力を温存しておくことが必要になっている。「関連:7月1日」
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