秋篠宮家の長女・眞子さんの夫、小室圭さんの2回目の挑戦となった米ニューヨーク州の司法試験の結果が発表された。合格者一覧の中に小室さんの名前はなかった。小室さんは「不合格だった」と周囲に伝え、7月の次回試験に挑戦する意向を示したという報道も流れる。夫妻が生活の拠点をニューヨークに移してから、5カ月あまり。日本への帰国を回避するためには、眞子さんのビザ取得が鍵となりそうだ。

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「2回目は実力としか言えない」 

 米国の弁護士資格を持つ日本人たちの反応は、どこか冷ややかであった。

 4月14日、米ニューヨーク州司法試験委員会(The New York State Board of Law Examiners)が、2022年2月に実施された試験の合格者名簿を発表した。小室さんの名前の有無は、米国の弁護士資格を持つ日本人弁護士の間でも関心の高いニュースだった。

 そして口をついて出たのが、冒頭の言葉だ。 

 小室夫妻サイドは、結婚に踏み切るために、西村泰彦宮内庁長官ら宮内庁の幹部に、こう断言していたという。

「必ず、合格します。大丈夫です」

 それならば、と秋篠宮家と宮内庁は2人の結婚にゴーサインを出したという経緯がある。

 昨年夏の1度目の試験は、結婚問題で集中できなかったと、小室さんをかばう声も多かった。しかし、2度目となると、もはや突き放したような反応しか聞こえてこない。

「うちの事務所にインターンとして来ていた日本人の弁護士は、仕事と両立する形で今回の試験に合格しています。米国の試験は受け続ければ、いつかは受かりますので、再々挑戦という選択もありますが……」

 こうため息をつくのは、ニューヨーク市内で活躍する日本人弁護士だ。

「小室さんは、米フォーダム大学の法科大学院でLLM(Master of Laws:法学修士)で1年学んだうえJD(Juris Doctor:法務博士)に編入して、合計3年間はしっかり学んでいる。同大学のJD修了生の同試験合格率は92%ですからね」

 試験は400点満点で、266点以上とれば合格する絶対評価での採点だ。2月試験の受験者3068人のうち、合格したのは1378人。45%の合格率だった。小室さんを含む外国人留学生も40%が試験に通っている。一方で、「リピーター」と呼ばれる小室さんのような再受験者の合格率は、ぐっと下がる。受験者1610人のうち、合格率は30%だった。

 焦点となるのは、今後のふたりの生活だ。

 時事通信などは、「不合格だった」と周囲に伝え7月の次回試験に挑戦する意向を示したと報じている。英字紙「ジャパンタイムズ」もさっそく、「Third time’s the charm? (三度目の正直か)」と見出しを掲げた。

 3回目の再試験に挑むにせよ、弁護士を諦めて転職するにせよ、大きな問題となるのがビザの取得だ。

 小室さんは、一足先にメールで合否を通知されている。小室さんが勤務するニューヨークの法律事務所のホームページを見ると、スタッフ欄にはまだ「Kei Komuro Law Clerk」(法務助手)と、小室さんの名前と肩書は掲載されている。

 現在、小室さんは、学生ビザ(F−1)の延長プログラムであるOPT(オプショナル・プラクティカル・トレーニング)で滞在しているとみられる。このビザは、米国の大学や大学院を出たあとも、文系は1年間、理系は3年間、関連する仕事で働くことができるものだ。

 小室さんが法科大学院を修了したのが昨年5月。OPTであれば、今年の5〜7月にはビザが期限切れになる計算だ。 

 前出の弁護士はこう話す。

「普通は2回、試験に落ちたら解雇です。しかし、法律事務所のトップが『小室さんを雇用することにメリットがある』と考えるならば、年収は下がるかもしれませんが、雇用契約は続けるのではないか」

 ただ、今後も法務助手のままであっても、米国で働き続けるには、新しいビザを取得する必要がある。小室さんが取得すると見られていたのが、専門職に就く外国人が取得するH−1Bビザだった。

「弁護士でなくとも、H−1Bビザは取得できます。小室さんに適合するビザとして取得は可能です。ただし、雇用主のサポートを得て米移民局に申請したのち、無作為抽選にパスしなければならない」(前出弁護士)

 仮にこの抽選にパスしなかった場合、小室さんと眞子さんは日本に戻るしかないのか。先のニューヨーク市在住の弁護士は、鍵となるのは眞子さんのビザだ、と話す。

 眞子さんは、この2月からニューヨークのメトロポリタン美術館(MET)での活動を始めた。同館が運営するウェブサイトを見ると、明治から昭和にかけて活躍した画家・山田真山の掛け軸の解説文が「Mako Komuro」の署名で掲載されているのが確認できる。

 ジャパンタイムズなどは、眞子さんは無報酬のアシスタントキュレーター、つまりインターンとして活動していると報じている。

 たしかに、眞子さんのMETへの就職は渡米前からうわさされてはいた。

 しかし、眞子さんは博物館学を学んだものの博士号などは取得していない。東京大学総合研究博物館の特任研究員として、東京・丸の内のインターメディアテクで勤務経験はあるが、METで勤務するには、キャリア不足は否めない。

「少なくとも、名のある博物館で勤務するには、英オックスフォード大学マートン・カレッジで日本美術史を専攻し、女性皇族で初となる哲学博士号(オックスフォード大学)を取得した三笠宮家の彬子女王に追いつくくらいの実績は必要でしょう」(皇室に詳しい関係者)

 眞子さんは、通称アーティストビザと呼ばれる「O−1」を取得するのでは、とささやかれてきた。このビザの使い勝手がよい点は、METなどの博物館が雇用主になる必要はない点だ。エージェントなどを通じて行う仕事でも取得が可能だという。

 そして、より目的にかなうのは、「J−1」ビザだという。

「主に交換交流プログラムの一環でアメリカに渡米する人用のビザが、J−1です。職業訓練などを受ける研修目的の『トレーニー』の項目が当てはまるでしょう。期間は18カ月とはいえ、配偶者の雇用許可もつく。その間にさらに、H−1Bビザに再挑戦もできるため、小室さんのビザ問題も当面しのぐことはできそうです」(前出の弁護士)

 ビザ取得の要件としては、米国外で1年以上の社会人経験が必要だが、眞子さんはインターメディアテクでの勤務経験がある。だが、問題は小室さんが3度目の試験に挑戦する情熱があるか、という点だ。

「稼ぎだけでいえば、米国のロイヤー(lawyer)は、労の多い割には稼げる職業ではない。弁護士になってアソシエイトの地位で成功して年収30万ドル(約3800万円)、熾烈な競争に勝ち抜いてやっとパートナー弁護士となる。米国法曹協会(ABA)が以前行った調査では、大手事務所で経営に出資する経営者弁護士(equity partner)の平均が2〜300万ドル(2億5千万円〜3億8千万円)でした。ここまでたどり着くのは、さらに困難な地位です。むしろ、金融業界に転身したほうが稼げるかもしれませんね」(同)

 小室さんが一橋大学大学院国際企業戦略研究科で学んだのは経営法務であった。そして昨年、眞子さんと小室さんが結婚した10月26日。小室さんは、ニューヨーク州弁護士会が主催する学生を対象とした論文コンペで1位となり表彰された。

 小室さんがビジネス法部門に提出した論文はこんなタイトルだった。

<ウェブサイトへの接続におけるコンプライアンス問題と起業家への影響>

 小室さんがどの道に進むかはわからないが、日本人が米国で就職先を得るのは非常に難しいのが現状だ。

「眞子さんがJ−1ビザの取得に成功すれば、配偶者として勤務も可能です。ビジネスの世界への転身という道を探るのも一つの道かもしれませんね」(同)

(AERA dot.編集部・永井貴子)