いわゆる「ひきこもり」状態の問題解決に向け、江戸川区が運営する駄菓子屋がオープンしました。
 
 区内のひきこもり状態にある人が地域とつながるきっかけをつくろうと、江戸川区は接客などができる就労体験の場として、区営の駄菓子屋「よりみち屋」を2月27日にオープンさせました。ひきこもりの人の就労支援を目的とした公営の駄菓子屋運営は、東京都内では初めての試みです。
 
 就労体験者のサポートスタッフとして働く小野寺慧さんは、自身も中学3年生からおよそ4年間、引きこもっていた経験があります。かつての当事者として引きこもる人たちの苦しみを理解できるからこそ、彼らが過ごしやすい環境を整え、笑顔を増やせるよう寄り添いたいとして「ひきこもりの人を何とか社会復帰にもっていく手伝い・サポートをしていきたい。『よりみち屋』がひきこもりの人のリスタート地点になれたらと思っている」と話します。
 
 駄菓子屋の奥にはひきこもりの人をはじめ、地域の人が気軽に立ち寄れて思い思いに過ごせるフリースペースが設けられ、初日は早速、近所の子どもたちなどでにぎわいました。訪れた人の中には「お菓子を選ぶところが楽しかった」と話す子もいたほか、「壁がなくなるみたいな感じになる。お菓子が置いてあると寄りやすい。子どものことで悩んでしまう母親もいると思うので、こういうところがあることは心強い」「社会に出たいと思っている人たちが出られる窓口になっているのならすごくいいことだと思う」などと、この施設に期待を寄せる声も多く聞かれました。
 
 江戸川区が運営するこの駄菓子屋は、月曜日から金曜日の午前11時から午後5時の営業です。