野外音楽祭「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」の中止を巡り、茨城県医師会に抗議が殺到している。決定から1週間足らずの13日午後5時現在で、2279件に上る。鈴木邦彦会長は14日の記者会見で、主催者側から相談がなかったと明らかにし、「県医師会も主催者側との連携が必要だった」と陳謝した。

 主催者側は6月1日、8月開催を発表した。同会などは7月2日、新型コロナの感染拡大などを懸念し、中止の検討などを要請。主催者側は7日、ホームページで中止を明らかにした。

 「なぜ(開催1か月前の)この時期に要請書を出すのか」「東京五輪の中止は要請しないのか」。同会には7日以降、1628件の電話と651件のメールが寄せられたという。

 鈴木会長は「我々に中止を決める権限はない。困惑している」と述べる一方、野外イベントで熱中症患者が増え、コロナ患者との見極めが困難になることを懸念したと説明。通常診療とコロナ対応で医療機関の負荷が増す恐れがあり、会場外での参加者の感染対策も難しいとして、要請への理解を求めた。

 同会は6月18日、開催予定を把握した。鈴木会長は「一連の作業」で要請が7月2日になったと釈明し、「もう少し早く、主催者側と話し合いができていれば」と悔やんだ。