DREAM/ING 111

私の中の「ま、いいか」なブラック&ホワイトホール

劇団昴★エデンの東

2011-06-11 | ドラマ・映画・演劇・アート
先週、ちゃとと様にお誘いいただいて、uoco様と3人でお芝居を見て参りました。
劇団昴★エデンの東
劇団昴の観劇は3回目になります。

今回は「エデンの東」(「東のエデン」ではありませんよ)。
映画が有名で、ジェームス・ディーンの代表作でもありますね。

お芝居では、映画版とは違って、全4巻の原作を改めて再編集、
双子の兄弟キャル(J.ディーン)とアロンの父親アダム・トラスクにフォーカスし、
親子2代の物語となっていました。

ちゃとと様友人の宮本充さんは、今回はそのアダム役。

あまりにも真っ正直で、まっすぐなために、希代の悪女・キャシーにたぶらかされ、翻弄され、深く傷ついたまま生きてきた、アダムの生き様は、映画では描かれていなかった部分です。どこかで心を閉ざし、母親キャシーに似た要素を持つキャルを受け入れることができない・・・それが物語を悲劇に導いてゆきます。

実は、「エデンの東」は中学時代の夏休みの課題図書(で、スタインベックが苦手になったような;;)。また大学でもスタインベック研究は米文学では避けては通れない道。映画も見ているはず。でもすっかり忘れていました(汗)
有名なシーンは思い出せるのだけど、細かい設定は完全ぶっとんでいました;

が、そんなことは関係なく、お芝居の物語が際立っていて、原作とも映画とも違ったアナザー・ストーリーというか、よりぎゅっとテーマを絞り込んだような・・・

一言でいえば
・人間には絶対悪というものがあるのか?
・悪いとわかっているのに、やってしまうのはなぜか?
・悪い人間は良き行いをできないのか?

ん?このテーマ、最近「マイ・バック・ページ」でも触れたような・・・

「エデンの東」はキリスト教がベースにあるので
罪の意識の表れ方はずっと明確なのですが・・・

繰り返し出てくるキーワード"timshel"。
「個人の行動の選択の自由」という意味で、
物語では、運命は流されるのではなく、自分で選び取れる、ということを意味しています。

これがけっこう深いんだなー。

脚本も面白かったのですが、目を奪われたのは舞台美術と演出。
3時間近いお芝居を場面転換なしでやっていて、
農園や協会、いかがわしい売春宿などを表現。
ライティング1つで、家の柱が橋になり、十字架にも見えるという工夫がすごい。

子どもの成長は、洗濯もの(シーツ)に描かれた子どもの手描きの絵を
1枚ずつめくっていくことで、上手になっていくことで表現。
一緒に干されるシャツも、子どもから青年へ・・・

そういう大胆でユニークな演出が、舞台ならではでした。

舞台が終わったあとのトークショーは
メイン出演者2人と、美術の乗峯雅寛さん、演出の河田園子さん。
河田園子さんはすごく若いのに(って感性に年齢関係ないんですが)
解釈の深さ、情熱がハンパなく、そのエネルギーに感動。
美術のお話も興味深かったです。
ステージが実は凸凹状というのかな?
やわらかな小石状のものがちらばっていて
けっこう歩くと痛い、というのを聞き、
それが演技にも影響するんだろうな、とか思いました。

※uoco様がさらさらと描かれたイラスト。



下北沢でのランチは、セットで500エン、
ケーキもついて600エン、驚愕の下北プライス♪


おまけ:宮本充さんのイラストカレンダー。素敵です。

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