「28日後…」
監督:ダニー・ボイル
出演:キリアン・マーフィ、ナオミ・ハリス、ミーガン・バーンズほか
公式サイト
*****
古今東西、ゾンビものといえば、ゆったりのんびりギクシャク動作が基本!ですが
この作品の中のゾンビ(というか、謎のウィルスに感染して凶暴化してしまった人間)は、
ものすごく機敏です。ケダモノ並の運動神経です。
獲物を求め、目を血走らせて全力疾走する姿は、なかなか怖いものがあります(笑)
とはいえ、登場人物はあんまり切迫しておらず、途中で妙にほのぼのした親子愛があったり、
親子で平原を疾走する馬をみんなで眺めてみたりと、
『これって…ホラー、なの、か?』と疑問符が頭を過ぎる部分も。
とりあえず、全力疾走で半死人から逃げる、ていうのは斬新だと思うナ。
これに出てくる感染者は、一応殺せば死ぬんだけど、
もしも、本物のゾンビ(脳をどーにかしないと死なない)がこのスピードで動き始めたら最凶!
超ダッシュする高速ゾンビ! これは怖いぞー、わくわくするぞー。
…誰か、そういう映画作ってくれないかね…
*****
とある研究機関に侵入した動物愛護団体によって解き放たれた、実験体である一頭の猿。
その身体は『凶暴化』ウィルスによって汚染されていたのだ。
自ら助けた猿に噛み付かれた女性活動家は、一瞬後に、凶暴な獣となって仲間に襲い掛かり始める。
血液によって感染し、その数十秒後には、人間としての理性も意識も失って、
ただ、肉を貪る本能のみの怪物と成り果てる恐ろしいウィルス。
それが国中に広がるまで、さほどの時間はかからなかった。
そして28日後。
病院のベッドの上で意識を取り戻したジム…
仕事の途中、交通事故に遭った後の記憶の無い彼…が見たのは、
人気の無い、ゴーストタウンと化した都市だった。
わけがわからず、人影を求めて教会に立ち寄ると、
そこには、ぐったりと横たわる無数の人々がいた。
その姿に安心したジムは、奥の部屋の神父に対してよびかける。
しかし…神父は、ギクシャクと動きながら、彼に牙をむき出した!!
同じ生存者であるセリーナに救われたジムは、一緒に行動するうち、
電飾に彩られたマンションの一室でフランク親子と出会い、
そこにあったラジオから聞こえてくる声に耳を傾ける。
軍隊がまだ活動しており、病気の謎は解明された、という放送…
ジム達は一縷の望みをかけて、声に導かれるまま、マンチェスターを目指す。
*****
主人公のジム…すごいナヨっとした、見るからに弱っちーぃ体つきで、
最初は襲われても、ろくろく反撃もできずに悲鳴あげるだけだったのよ。
マンションの長い階段で感染者に追われるシーンでも、
走って登りきる体力が無くて、前を走るセリーナ(女性)に向かって
「待ってくリェー!置いていかないでくリェー!」と超情けない声を上げていたのに…
…最後のほうの、超人っぷりは一体どうしたことでしょうか?!
正規の軍小隊を相手取ったテロ活動の鮮やかさといったら…
しかも、ゾンビに襲われる軍人(悪党)を窓から覗き見て「ニヤ」とか微笑んでみたりして、
おいおいおい~君、性格変わってるぞ~?!
この間、テレビで「バイオハザード・アポカリプス」を見たこともあって、
『実は特異免疫体質で、ウィルスに感染しても凶暴化せず、超人になったとか?』
なんて、半ば本気で考えてしまったよ(無いっての)
ホラー要素はたいして怖くないけれど…
私にとって一番怖いのは、女日照りでケダモノ化してしまった軍人の皆様、でしょうか。
命を脅かされる状況になると、そっち方面の欲望が強くなってしまう、というのは
どっかで聞いたことがあるんですけど…
(生存本能が、とりあえず自分の遺伝子を残そうとする…らしい?)
あれは無いわ。
ていうか、殺されて当然だぞ、お前ら~