鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

「時をかける少女」

2007-06-11 00:02:25 | 映画(アニメ)
「時をかける少女」 2006年
監督:細田 守
公式ページ

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いやいや、期待を外さない、超甘酸っぱ~い青春SF映画でした。
私の年齢だと、見ていてすごく、こそばゆいような気恥ずかしいような…って感じですが
リアル青春の人たちが見ると、いろいろ共感するのかな? 多分?

…実は私は実写映画の「時をかける少女」をリアルタイムで知っている世代。
さらに、古~いテレビドラマを小説化した「続・時をかける少女」(石山透著)は、
何故かうちの実家にあって、小学生の時読んだため、なんというか身近なイメージのある話(笑)
(この本、もう手に入らないらしいです~。さすがに今はどこに行ったかわかんないんだよなぁ)

原作つきとはいっても、やはり1960年代の作品をまんま映像化するのには無理があったのか、
(ま、そりゃそーだ)
今作は、原作版の主人公「芳山和子」は映画版の主人公「紺野真琴」の叔母として登場。
真琴のタイム・リープの秘密を唯一知っている相談役として、いろいろ役に立つんだか立たないんだか
わからないアドバイスをくれていました。
和子が出てくるなら、もしかしたら「ケン・ソゴル」も出てくるのか?と、一瞬期待しましたが、
それはナシ。

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紺野真琴は17歳の高校生。
彼女は朝寝坊した日に、最悪なツイてない一日を過ごすことになる。
学校に遅刻しかけ、小テストで失敗し、家庭科で火事を出しかけ、理科室で転び…
そして、帰り道、踏み切りに向かって坂を自転車で下っていく途中、それは起こった。
ブレーキが、効かない。
降りていく遮断機、そこにぶつかる前輪。宙を舞う自分の身体。
死ぬ、と思った瞬間。真琴の身体は時間を飛び越え、事故の起こる前に戻っていた。

美術館に勤める叔母に、それはタイム・リープという能力だと教えてもらった真琴は、
そのちからを使って、自分の都合の良いように、日々のできごとをやり直しはじめる。
だが、そうしてやり直しをしたことが、また新たな犠牲や問題を産み、
なかなか真琴の思うように、現実は変わっていかない。
細かな出来事を「修正」するために、ひたすら真琴はタイム・リープを繰り返すのだった。

腕に書かれた文字は、タイム・リープの限度数。
そして、それがゼロになった時、本当の悲劇が…

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絵柄もキレイ。物語も自然。すごく見やすい仕上がり!
タイプの違う二人の男友達相手に「今のまんまの三角関係」を続けたいと願う主人公には
なかなかそりゃあウマすぎる展開じゃん?と思わないではいられないけどね(笑)
何回もプリン食べに戻ったり、カラオケ10時間ぶっつづけで歌ってみたり、
…主人公、いろんな意味で本能に忠実すぎで面白い(笑)
まぁ、よく言えば自分に素直な子ってとこ?

一回一回タイムリープするたびに、実際にジャンプする!っていうのはちょっと…
その時の画像がいかにも~な演出で、ちょっと引く~。
あと、細かいところに「アレ?」と思う部分多々。タイムパラドックスって何ですか?って感じ。
細かく細かくあっちこっち時間を戻してるから、見ててもわけわからん。
多分、そこが主線じゃないからこうなったんだろうけど~。

うん、でも、最近のアニメでは素直に面白いって思えるものなかったし、
これはこれで良いんじゃないでしょーか。
女性はきっとみんな、自分がこの立場だったら二人の男友達のどっちを選ぶか
意識しながら見てたに違いない(笑)
ちなみに私なら功介がいいな! 外見的に!

ラストは少し、ご都合主義っぽいかなぁ。
すごく綺麗にまとまりすぎちゃって、ええ?て感じ。
最初~中盤まで見たときは、最後はきっと、過去を変えることそれ自体の無意味さに気づき、
真琴は最初の日に戻って、不運な一日をあえて避けずに受け止めるのか、と思ってたンよ。
で、多分、死の運命だけは誰かが助けてくれるのかなって。
そしたら、そのへんは見事にスッコーンと抜かして、他人と自分の恋愛ばかりに
うつつを抜かし始めたもんだから…とほほのほ
いや、そこがいかにも青春映画らしいといえばそのとおりなんだけれども!

ついでにいえば、過去の人間にタイム・リープのことを知られてはいけないってとこで…
「記憶消すのか?」と思ったらそのまんまだしなぁ…
(叔母さんの和子も覚えてるみたいだから、いいのかな?)